はじめに:前回の続きです
先日投稿した【実験レポート第1弾】では、正絹の長襦袢の「袖だけ」を、2025年7月に新発売された正絹長襦袢専用洗剤『洗う絹子さん』で部分洗いしてみました。結果は、袖丈が約1cm縮んだものの、風合いの変化はほとんどなく、「アイロンで伸ばせるかも?」というところで記事を締めくくりました。
今回はその続編として、汚れ落ちに再挑戦&縮んだ袖をアイロンで調整する実験をレポートします。
洗い方を工夫して、再チャレンジ!
1回目は初挑戦のことも有り、洗面台で浮かせた状態で軽く洗う程度だったため、汚れ落ちが今ひとつでした。
今回は落ち着いて丁寧に洗えるよう、洗い方そのものを見直してみました。
準備したもの
- バスタオル(テーブルに敷く用)
- 洗面器2つ(洗い・すすぎ用に水を張る)
- 『洗う絹子さん』(原液のまま使用)
- 歯ブラシ(やわらかめ)
洗う絹子さんのYouTube公式サイトも参考になさってください。
洗いの手順
- バスタオルをテーブルに広げる
- その上に濡らした長襦袢の袖を、汚れが上になるように置く(身頃や片袖はテーブル上に離して置く)
- 原液を歯ブラシにとり、やさしくこすり洗い
- 洗面器で2回すすぐ
- 乾いたタオルで水分を軽く取る
- タオルで挟んだ状態のまま、アイロンで軽く押さえながら袖丈を調整(前回はアイロンせずに干す)

結果と感想:落ち着いて洗えば、ここまでできる!
今回の洗いは前回よりも落ち着いて丁寧に作業できたため、
● 汚れ落ちは大きく改善
● 生地の風合いは変わらず、傷みもなし
と、満足のいく仕上がりでした。
ただ、アイロンで袖丈を完全に戻すのは意外と難しいと感じました。特殊なラメ入りストレッチ素材の襦袢だったことも縮みに関係しているかもしれません。少しづつタオルをめくって確認しながら26cmに調整しアイロンを当てていきました。

わかりにくい画像ですが汚れ落ちは良くなっていました。

比較と考察:洗えるかどうかは“許容範囲”次第
私が以前、自分で洗った別の長襦袢は、袖丈が3cmほど縮み、どうにかしようと袖をほどいて出そうとしましたが、足りずにリメイクした経験があります。
とても肌触りが良いチュニックに生まれ変わって怪我の巧妙でした!

それに比べると、今回の1cmの縮みは「襦袢の生地や洗い方による誤差の範囲」と言えるかもしれません。
『洗う絹子さん』が正絹長襦袢用に開発された専用洗剤であることが、縮みを1cmに抑えられた理由のひとつでしょう。
とはいえ、「洗えるかどうか」はやはり
- 素材の特性と
- 自分がどこまで寸法変化を許容できるか
によると思います。
私は「縮んだら袖丈を出せばいい」くらいの気持ちで試したので、1cmくらいの縮みは許容範囲と感じました。
襦袢が気軽に洗える日常へ
「もし毎回、襦袢を自宅で洗えたら…」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
● クリーニングに出すのが面倒
● 汚れたまま放置してしまう
● 出番が減る
こんな悪循環から解放されるなら、「多少の縮みは許せる!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私自身、洗ってスッキリしたことで、またこの長襦袢を気持ちよく使おうという気持ちになりました。
おわりに:技術と気持ちの進化を感じた実験
洗う絹子さんが発売されてすぐに試してみたくなりました。アマゾンでしか取り扱いがなくしかも3300円!
洗剤としては結構高価な価格です。
ですが、今回の実験を通じて、「襦袢を自分で洗う」ことに対するハードルが少し下がった気がします。
● 洗剤の進化(企業努力)
● タオルに挟んでアイロンで伸ばすという自分の工夫と経験値の積み重ね
このふたつが合わさることで、着物をもっと日常的に、気軽に楽しめる時代が来るのではないかと思えました。
「洗う絹子さん」が生まれた背景には着物を着る皆さんのそんな思いがあるのだと思います。
もちろん、自己責任での挑戦でおねがいしますが、
「洗う絹子さんで洗ってみようかな?」と思った方の参考になればうれしいです。
また、後日、「この襦袢と一緒に購入した着物と合わせて着てみたら袖丈、袖幅はどうなったか?」「他の襦袢を洗ってみたらどうなるか?」などを記事にしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回洗った襦袢はスコープココさんの襦袢です。
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