【昔と今で変わった着物コート事情】寸法と素材を大切にしたい理由

当ページのリンクには広告が含まれています。
【昔と今で変わった着物コート事情】寸法と素材を大切にしたい理由
みつ子

着物のコートについてお話しするとき、
まず一番にお伝えしたいのは「寸法の大切さ」です。

着物の上に着るコートは、着物よりも袖丈が短いと見た目が美しくありません
袖が中途半端に覗いてしまうと、せっかくの着姿がちぐはぐに見えてしまいます。
コートは「羽織ればいいもの」ではなく、着物とのバランスがとても重要です。

スポンサーリンク
目次

コートにはおしゃれ用と礼装用がある

着物のコートには、
・おしゃれ用
・礼装用
という使い分けがあります。

ただ、最近は以前ほど厳密に分けず、汎用性の高い一枚を仕立てる方が増えました
きちんと感がありつつ、普段のお出かけにも使える。
そんなコートが選ばれる時代になっています。

礼装、おしゃれ両方に使えるコート
礼装、おしゃれ両方に使えるコート

昔は「コート地」、今は「着物地」から作ることも多い

以前は、コートは**コート専用の生地(コート地)**から作るのが一般的でした。
コート地は、

  • シワになりにくい
  • 生地に張りがあり、形がきれい
  • 風や寒さを防ぎやすい

といった特徴があります。

実際、私が嫁入りの際に親に用意してもらったコートもコート地で、
小紋地とは質感の違いがはっきり分かります

コート地専用のコート
コート地専用のコート

ただ最近は、
小紋地やお召しの生地からコートを作ることも多くなりました。
「そこまで素材を追求しなくてもいい」という考え方が広がってきたのも事実です。

コート専用生地、輪奈ビロードのコート
コート専用生地、輪奈ビロードのコート

衿の形は好みで選んでいい

コートの話になると、必ず話題になるのが衿の形

最近は、着物と同じような合わせ方をする衿が人気ですが、
私は昔ながらの道行衿がすっきりしていて好みです。

きちんと感がある道行き衿のコート
きちんと感がある道行き衿のコート

道行衿は、

  • 衿元が崩れにくい
  • 裾の方までホックで留められる
  • 風に煽られてめくれ上がりにくい

という点で、実用性もとても高いと感じています。

とはいえ、これはあくまで好み。
どちらが正解ということはなく、自分が着やすい衿を選べば十分です。

コートは一年中必要なも

着物のコートは、冬だけのものではありません。
季節に合わせた素材で、一年を通して使われます。

  • 透ける 羅(ら)のコート
  • 単衣のコート
  • 袷のコート

最低でも、この3パターンはあると安心です。

洋服でも、上に着るコートほど「良い生地」が好まれるように、
着物のコートも一枚良いものを持って着回す方が、結果的にコスパが良いと感じています。

まとめ

着物のコート選びで大切なのは、次のポイントを実際に確認して選ぶことです。

  • 寸法が合っていること
     着物の袖がコートの袖口から出ない長さか、羽織ったときに肩や背中が突っ張らないかを必ず確認します。
  • 着物との格のバランス
     小紋や紬には普段使いしやすい生地感のコート、
     少し改まった場には、張りのある落ち着いた素材のコートを。
     「どの着物に一番合わせるか」を想定して選ぶと失敗しません。
    ただし、最近は両方に対応できるコートを持つ人が多い傾向です。
  • 素材と季節感
     防寒目的の袷コート、軽さを重視した単衣コート、夏用の透ける羅や紗のコート。
     最低でもこの3種類を揃えておくと、季節ごとに無理なく着回せます。
  • 衿の形と使い方
     衿元をすっきり見せたいなら道行衿、
     軽やかに羽織りたいなら着物衿。
     雨ゴートやロングコートなど、風に煽られやすい場面では、裾近くまでしっかり留められる道行き衿のほうが実用的です。

流行や「こうあるべき」に縛られるよりも、
自分がよく着る着物・出かける場面・体の動かしやすさを基準に選んだ一枚の方が、結果的に出番が多く、長く愛用できます。

着物のコートは、数を持つより
「本当に使える一枚」を育てていくものなのかもしれません。

【昔と今で変わった着物コート事情】寸法と素材を大切にしたい理由

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

コメント

コメントする

目次