入学式に着物を着たいけれど、不安はありませんか?
生徒 まり入学式にどんな着物や帯を選べばよいのか、全くわからず不安です。



普段あまり着物を着る機会がないので、自信を持って式に臨めるように、ふさわしい装いを教えてください。
入学式に着物で出席したいと思っても、
- 何を着たらいいのか分からない
- 格式を間違えたらどうしよう
- 普段着物を着ないので自信がない
そんな声をよく耳にします。
入学式は、お子さまが主役の大切な式典です。華やかすぎず、かといって地味すぎない「きちんと感」と「上品さ」が求められる場でもあります。
この記事では、この組み合わせなら安心という基本を軸に、入学式にふさわしい着物とコーディネートを、理由とともに分かりやすく解説します。



最近、入学式が再開され、着物を着て参加しようと考えている方も多いのではないでしょうか。
着物や帯の選び方を誤ると、せっかくの晴れの日にふさわしくない装いになってしまうこともあります。そうならないために、正しい選び方を知り、格式に合ったコーディネートを心がけましょう。
結論|この組み合わせなら安心です
入学式の基本コーディネート
- 着物:訪問着・付下げ・色無地・江戸小紋(三役)
- 帯:袋帯・名古屋帯(迷ったら袋帯)
- 帯揚げ・帯締め:白・クリーム・淡いパステルカラー
- 色合い:春らしい淡色・上品で控えめなもの
この基本を押さえていれば、入学式の装いとして大きく外すことはありません
入学式に着物を着るメリット
- 洋服にはない格式と華やかさがある
- 写真映えし、記念の日にふさわしい
- タンスに眠っている着物を活用できる
- きちんと感があり、学校行事でも好印象
「着物=大変そう」と思われがちですが、ポイントを押さえれば安心して着られます。
【我が家のお嫁さんの入学式のコーディネート例1.】
着物、襦袢=実母 お召の色無地(少しぼかしが入っています)
帯=本人
帯締め、帯揚げ、ショール=私(義母)
の総動員です。


注意点:必ず、前もって出してみる
前もって出してチェックしてください。
①着物、②帯、③帯締め、④帯揚げ、
⑤足袋、⑥襦袢、⑦衿芯、⑧肌着、
⑨こしひも3〜5本、⑩伊達締め2本、
⑪帯板、⑫ウエストやヒップの補正具、あるいはタオル3〜5枚くらい
⑬バッグやサブバッグ、草履
これらのものが揃っているか、また、着物のサイズが合っているか、ひどい汚れがないかを確認してください。
長くしまったままの草履は、見た目がきれいでも、実際に履くとエナメルが剥がれたり、底が外れてしまうことがあります。着付け教室の生徒さんも、初めてのお出かけの際にこのトラブルを経験されました。
新しく草履を購入する場合は、必ず鼻緒の試し履きをして、きつすぎないか確認しておくと安心です。


道中は、ショールを羽織ると帯を保護できるので安心です。ただし、式場に着いたら必ず外してください。


ふさわしい着物の種類
着物には場に合う格式と帯合わせのルールがあります。まず、入学式にふさわしい着物の種類と帯合わせを説明します。
ご存じの方は飛ばしてください。
訪問着
肩から袖、裾にかけて模様がつながる「絵羽模様」が特徴。華やかさがあり、式典向きの代表的な着物です。
- 未婚・既婚を問わず着用可能
- 帯次第で準礼装からきちんとした式典まで対応
- 袋帯を合わせるのが基本
下の着物は、柄のつながり方の参考としてご覧ください。


付下げ
訪問着より控えめですが、上品で格式のある着物です。
- 柄はすべて上向きで落ち着いた印象
- 入学式・卒業式どちらにも使いやすい
- 袋帯、洒落袋帯、格の高い名古屋帯が可
下の着物は、付下げの柄の配置の参考としてご覧ください。断捨離をした結果、年齢的にも落ち着いた色合いの着物ばかりになってしまいました。


色無地
一色染めの着物で、地紋によって印象が変わります。
- 一つ紋があれば略礼装として使用可能
- 帯合わせ次第で幅広く活躍
- 入学式では袋帯または洒落袋帯がおすすめ
帯は正式な袋帯、洒落袋帯が式典には適していますが、普段着のお出かけには、名古屋帯でも大丈夫です。


江戸小紋
江戸小紋は、細かい模様が全体に散りばめられ、通常は一色を基調にしたシンプルなデザインが特徴です。日常やフォーマルな場に適しています。
特に「三役」と呼ばれる柄は格が高く、式典にも対応できます。
江戸小紋三役
- 鮫
- 行儀
- 角通し
- 一つ紋入りなら色無地に準じた装い
- 帯は袋帯または洒落袋帯が安心
下の着物は、柄の配置の参考としてご覧ください。色は考慮しなくて大丈夫です。断捨離をした結果、年齢的にも落ち着いた色合いの着物ばかりになってしまいました。
帯は式典には洒落袋帯が適しています。普段のお出かけには名古屋や半幅帯でも大丈夫です。


入学式にふさわしい色柄・地紋
色選びの基本
- 淡いピンク・藤色・水色・クリーム色 → 優しく華やか
- ベージュ・グレー系 → 落ち着いた上品さ
濃すぎる色や派手すぎる配色は避け、春らしい柔らかさを意識しましょう。
柄と地紋の考え方
訪問着・付下げ
- 吉祥文様(おめでたい意味を持つ柄)
- 上品な草花や四季の花
- 金彩や刺繍は控えめが無難
一般的な古典柄であれば問題ありません。
色無地の地紋
- 七宝(円が永遠に繋がる、縁や繁栄を表す)
- 紗綾形(さやがた)(連続する卍模様で繁栄を表す)
- 桜・梅など控えめな花文様(春の入学式にぴったり)
入学式など式典に最適な柄や地紋です。
細かい地紋で目立ちにくいので、色さえ合っていれば問題ありません。
写真の左は葡萄唐草という伝統的な柄です。
右は嫁入り着物で、シャーベットグリーンだったのですが、地紋が珍しいので地味な色に染め替えて着ています。
※葡萄はたくさんの実(粒)をつけることから、古くから「豊かな実り」「豊穣」の象徴です。そのため、葡萄唐草も「豊作」や「豊かな暮らし」を願う縁起の良い文様とされています 。


江戸小紋の柄
礼装に適した江戸小紋の柄は、前述の特に最も格式のある「三役(さんやく)」のほか以下の格式のある二つの柄が代表的です。
4. 万筋(まんすじ)極細の縦縞がびっしり入った柄。
5. 大小霰(だいしょうあられ)
も控えめで落ち着いた印象があり、
一つ紋を入れた江戸小紋は、遠目には無地のように見え、略礼装として式典やお茶会などの場にもふさわしい装いになります。
お茶会などの機会がない方は紋は入れないほうが汎用性が高く便利です。
1.鮫


2.行儀


3.行儀


4.万筋(まんすじ)
極細の縦縞がびっしり入った柄。
遠目には無地に見え、非常に格調高い江戸小紋です。


5.大小霰(だいしょうあられ)
霰が降る様子を表しており、「勢いがつく」「前向きな気運」の意味合いも込められています。
控えめで落ち着いた印象があり、式典にも対応できます。


入学式にふさわしい帯と小物
帯
- 基本は袋帯
- 名古屋帯の場合は「格の高いもの」に限る
入学式向きの名古屋帯の条件
- 淡い金銀彩(キラキラしている)や上品な色合いの帯
- 上品な刺繍(華美すぎないもの)
- 吉祥文様や四季の花
ただし、入学式では格式を重視する場面もあるため、訪問着に合わせるなら袋帯の方が無難です。名古屋帯を選ぶ場合は、格の高い柄を選び、帯揚げ・帯締めも上品にまとめると良いですね。
• 名古屋帯にする場合は、色は明るめ or 控えめなゴールド・シルバー系
下の写真のような引箔の名古屋帯のような、訪問着から小紋まで対応可能な帯も一本あれば便利です。
帯揚げ・帯締め
- 白・クリーム・淡色が基本
- 着物より目立たせない
バッグ・草履
- 白・ベージュ・シルバー系が無難
- 草履はかかとが少し出るサイズ感が理想
- 劣化していないか事前チェックを
荷物が多い場合は、上品なサブバッグがあると安心です。
草履は必ず事前に点検してください。
時間が経った草履は、見た目がきれいでも、実際に履くとエナメルが剥がれたり、底が外れたりすることがあります。着付け教室の生徒さんでも、初めてのお出かけの日に実際に経験されたケースがありました。
新しく草履を購入する場合は、必ず試し履きをしましょう。鼻緒がきつすぎず、指が自然に収まるかを確認しておくと、当日も安心して歩けます。
草履のサイズは、かかとが少し出るくらいがちょうど良いです。かかとがぴったり収まると、歩くたびに「ぱたぱた」と音がして歩きにくくなります。
Sサイズの草履もあります。
着物を着る機会が少ない方には、礼装にも対応できる、ほどよくカジュアルなカレンブロッソ草履が便利です。
草履やバッグなどの小物は、当日の動き、例えば、スリッパに履き替えて式場に入る場合は草履を入れるビニール袋も用意すると間違いが起きず安心です。
おいておく場合も目印があると便利です。


道中はショールを羽織るか、コートを着ていくと安心です。
入学式は意外と長時間になるため、無理のない着付けを意識しましょう。
雨天に備えて、簡易雨コートや防水足袋カバーがあると安心です。足袋カバーは、普段のお出かけでも汚れ防止に役立つ便利なアイテムです。
着物を着るなら、雨コートは欠かせません。特に、手軽に使える二部式タイプが便利です。雨の日だけでなく、上下別々にさまざまな場面で活用できます。
事前チェックリスト(必ず前日までに)
チェックリスト
- 着物
- 帯
- 帯揚げ・帯締め
- 襦袢(一般的に白の塩瀬の半衿つき、衿芯も忘れずに)
- 肌着
- 足袋(あれば、足袋カバー)
- 草履・バッグ
- 紐類(少なくとも腰紐4本・伊達締め2本)
- 帯板・補正具
- ショールまたは羽織やコート
サイズ、汚れ、草履の劣化は特に要確認です。
着付けをプロに依頼する場合でも、事前に一度、着物を軽く羽織って
顔映りやサイズが合っているかを確認しておきましょう。
当日になって「サイズが合わず、きれいに着付けられない」というケースは、実は少なくありません。
ヘアスタイルのポイント
- 基本はまとめ髪
- シンプルなシニヨンや夜会巻き
- 髪飾りは控えめに(なくても大丈夫です)
ショートヘアの方も、整えるだけで品格がぐっと上がります。
実際のコーディネート例
【訪問着× 袋帯の組み合わせ例2】
訪問着や付下げはフォーマルな場にふさわしい装いなので、同系色で品よくまとめることで、入学式にぴったりの装いになります。
レースのショールを羽織って帯を守っています。




まとめ|安心して入学式を迎えるために
入学式の着物は、
- 格式を守る
- 色柄を控えめに
- 主役は子どもと意識する
この3点を押さえれば大丈夫です。
着物は「難しいもの」ではなく、「きちんと選べば安心できる装い」。 大切な一日を、ぜひ自信を持ってお迎えください。
私個人の考えとして、これから新たに訪問着などを誂えるのであれば、江戸小紋をおすすめします。
江戸小紋は気負わず着れて、汎用性が高く、入学式などのきちんとした場だけでなく、カジュアルなお出かけにも着られるためです。
入学式をきっかけに、ぜひ着物で出かける楽しみを広げてみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が参考になれば嬉しいです。
着付け教室を開講しています。お気軽にお問い合わせください。







コメント