
最近、リサイクル着物店を訪れ、その品質の良さに驚きました。
実は少し前にこれまで集めた着物や帯をほとんど値がつかない形で手放したばかりだったので、
「こんなに良いものがリサイクルでこんなにお得に買えるなんて!」と後悔した気持ちでいっぱいです。
今後、着物を買う予定はありませんが、このテーマについて改めて見直したくなりました。



リサイクルか新品か、どちらを選べばいいのでしょうか?
と、迷っている方に、着物歴30年以上の私、みつ子の個人的経験をもとに、リサイクル着物と新品着物、それぞれのメリットや賢い選び方についての考えをお伝えします。
この情報を知っているかどうかで、金銭面でも気持ちの上でも大きな違いが出てきますので、ぜひ最後までお読みください。
結論
どちらを選ぶにしても「本当に気に入ったものを買う」ことです。
矛盾しているようですが、価格を基準にしてはいけません。最初から値段を見ると、本当に自分が気に入っているかどうかが判断しにくくなってしまいます。
こんまりさんの言葉を借りれば、心がときめき、予算内で無理なく買えるのであれば、その着物は「浪費」として割り切って購入しましょう。
そして、どちらにせよ、「もったいない」と思わず、どんどん着て楽しむこと。大事にしすぎてタンスにしまい込んで寝かせておくのではなく、着倒すくらい着ること!中々できていませんが)が大事です。
まずは、リサイクル着物と新品着物について説明します。
リサイクル着物の魅力
コスト面でのメリット
① 比較的安価で手に入るため、初めて着物を購入する人にとってはハードルが低いです。
② 高価なブランドや古典柄の着物や帯が手頃な価格で手に入ることもできます。
環境への配慮
③ リユースすることで、資源を無駄にせずエコロジカルな選択をしているという安心感があります。
独自性と歴史
④ 古い年代物の柄やデザインが現代にない個性を持つことが多く、他人と被らないことが多いです。
⑤ リサイクル品にはその着物が辿ってきた歴史や背景が感じられます。
暑い夏から袷着物の上まで着用可能な、とても重宝な長羽織に仕立て上がりました。


仕立て代は別途かかりましたが、リサイクルにしかない、※絵羽柄と3300円という値段は魅力でした。
※絵羽柄とは、着物を仕立てたときに模様がつながって一つの絵のように見える柄のことです。
ただし、数か所穴が空いていたので、そこが目立たないよう仕立て、
どうしても、見えるところは黒糸でサテンステッチで埋めました。


新品着物の価値
品質と保証
① 新品ならではの未使用の輝きや、しっかりとした縫製、長く着られる耐久性があります。
② 購入時にサイズ調整やオーダーメイドが出来ます。
最新のデザインとトレンド
③ 新しい現代的なデザインや、トレンドに合わせた色や柄を選べます。特に最近は、洋服の中に混じっても悪目立ちしないシックな色目が多く、洋服感覚のコーディネートを意識してメーカーも作っています。
④ オールシーズン使える帯は、最近のトレンドで、とても便利でコストパフォーマンスも優れています。


ムガシルクのオールシーズン帯。以前は、このようなオールシーズンタイプはなかったように思います。
帯芯や帯の生地が研究された賜物ですね。
安心のサポート
⑤ 購入後のアフターサービスやメンテナンスが比較的安価で受けられます。
⑥ 反物の幅や色灼けを気にせず、仕立てや寸法直しが出来ます。
どちらを選ぶ?
用途別の選び方
① 初心者や普段使いにはリサイクル着物がおすすめです。価格を抑えて日常の楽しみとして気楽に着物を着こなすことが出来ます。
ただし、初心者の方は、リサイクルに詳しい人のアドバイスを受けながら、サイズや着物と帯のバランスを考えて、一式揃えると安心できます。
② フォーマルな場面や特別な日には、今どきのトレンドや安心感という意味で、新品着物が良い選択肢といえます。
どちらにしても、価格は予算内か、寸法はあっているか、何回着用するかなどをよく考えてください。
価格がやすいからといって、妥協はしないでください。
個人の価値観による選び方
③ 古典的なスタイルを好む人は今にないデザインや生地のリサイクル着物に魅力を感じます。
以前、銘仙の着物や羽織のギャラリー展があり、独特の色合いや艶感に感動しました。
ただ、生地が弱っていたり、サイズが小さかったりで、実際に着るのは難しそうでした。
リサイクル着物は見抜く目を持った着物上級者には良いですが、初心者には魅力だけで判断すると失敗する場合があります。
④ 一方、品質重視や特別な一着を求める人には新品着物がぴったりです。
まとめ
自分が納得できるものを選ぶ
新品にこだわるのも、リサイクルを選ぶのも、どちらでも大丈夫です。大切なのは、自分が納得できるものを選ぶことです。
私自身、たくさんの着物や帯を手放した経験から、着物のリセール価値がとても低いことや、一つ一つ「売るべきか、残すべきか」と悩む大変さを痛感しました。本当につらい経験でした。
それでも、これまで購入した着物は決して無駄ではなかったと思いたいです。
ただ、もしもう少し早くこの記事の視点で着物や帯を選んでいたら、金銭的にも感情的にも、もっと納得のいく着物ライフが送れていたかもしれません。
皆さんには、私と同じような後悔をしてほしくありません。
そこで、着物選びで大切なポイントを3つご紹介します。
着物選びで大切なポイント3つ
1. リサイクルと新品、それぞれのメリットを比べること。
まず、予算や用途に合わせて選び、その中から好きなデザインを絞ります。好みは後から考えても大丈夫です。
2. 必要最小限の着物を見つけて、無理なく楽しむこと。
たくさん持つより、自分の着用シーン合ったものを選ぶほうが無駄が省け充実します。
3. 箪笥に眠らせず、実際に着られる着物を選ぶこと。
リサイクルでも新品でも、自分のライフスタイルに合ったものを選びましょう。
この3つを意識すれば、後悔の少ない、満足のいく着物ライフが送れるはずです。
例えば、真夏に麻きものを着たい場合、小千谷縮の反物から仕立てるか、出来上がりのリサイクルの中から、サイズに合うものを購入するか、そして、着用シーンに合わせて半幅帯でよいか、夏の名古屋帯にするか?
こんなふうに考えて自分の予算や用途に合うものを選択していきます。
参考情報とリンク
私の数少ないリサイクル経験で知ったお店です。今後、新しいお店が増えたら、また随時更新していきます。
「彼方此方(おちこち)屋」さんで購入し仕立てた袖無し羽織です。(反物3300円+仕立て代8000円(知人の仕立て))
今では珍しいお召の絵羽織で、4月下旬くらいから10月下旬までずっと大活躍!コスパがとても良く満足のリサイクル品です。


彼方此方屋https://www.ochicochiya.com


kimono tentohttps://kimonoyatento.amebaownd.com
カフェのようなかわいい外観のお店です。


綸子地の小紋で、テントさんで試着しましたが、裄が短かく購入には至りませんでした。
新古品で22000円くらいで状態も申し分なくお得な価格でしたが、すぐに着る機会もなく飛びつきたくなるほどではありませんでした。


着物 だいやすhttps://kimono-daiyasu.com/shop/
着物好きの知人のお供でお店を覗いて来ました。状態の良い商品が豊富でした。
写真右端の薄グリーンの無地の小千谷縮が新品反物から仕立てされていて、とてもお買得価格でした。
夏に洗えて重宝な着物なので、寸法は既製のM,Lで、サイズが合えば夏着物初心者さんにお勧めです。
奥の方には、宮古上布などの逸品も多く、価格が高く手は出ませんが、目の保養になりました。


バイセル 京都高島屋https://selection.buysell-technologies.com/blogs/edition/kyototakashimaya
高島屋バイセルのお正月催事でリサイクル大島紬を9900円で購入しました。


大島紬は着やすく、雨にも比較的に強く、便利な着物でこの価格は私にとってはお買い得でした。
泥大島、白大島、藍大島の3枚を持っていますが、花柄のフェミニンな茶泥の大島紬に心が惹かれました。
リサイクルでも新品でも、持っているものと被らない着物を選ぶのが賢明です。
なぜなら、着物を着る機会はそれほど多くないからです。
そして、何度もお伝えしますが、大切なのは目的に合ったものを、予算内で選ぶこと。
どんなに気に入っても、「いつか着るかも」と思って買ったり、無理をして購入するのはおすすめしません。
仕立て上がった着物は証紙がなく見分けが難しいこともあります。今回の大島紬も、実はもっと手頃なランクのものかもしれません。
万が一、思っていたものと違っていても後悔しないよう、納得できる価格で購入することが大切です。


※各店舗写真はHPより抜粋し掲載しました。
最後までお読みいただき有難う御座いました。少しでも、リサイクルか新品か迷っている人の参考になれば嬉しいです。
着付け教室も開校しています。お問い合わせください。
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