最近カジュアル着物を着る機会が多くなったのが原因でこんな疑問が浮上しました。
着物を着るとき、「アクセサリーってどこまでOKなの?」
私自身、カジュアルなお出かけではイヤリングをつけるこはOK ですが、「ネックレスはさすがに…」と避けてきました。着物は帯や小物で十分に華やかなので、アクセサリーが浮いてしまわないか、品を損なわないかと、悩ましいものですよね。
今回は、着物におけるアクセサリーの「許される範囲」について、私の経験と調べた情報を交えて、整理してみたいと思います。
和装ではなぜアクセサリーがNGとされるの?
洋服の装いではごく自然なアクセサリーも、和装では「不要」「不自然」とされることがあります。それには、いくつかの理由があります。
和装は“引き算の美”
着物文化には、華美になりすぎず、装いの中に“余白”や“奥ゆかしさ”を残すという美意識があります。帯や半衿、帯揚げなどの小物が装いのアクセントになるため、洋風の装飾品を加えると、かえって調和を乱す場合があるのです。
礼装では「品格」が問われる
結婚式や卒業・入学式など、フォーマルな場では、着物自体がすでに格式ある装いとされているため、アクセサリーを重ねる必要はありません。
特に腕時計は「時間を気にしているように見える」、ネックレスは「華やかすぎて、少し玄人(くろうと)っぽい印象を与える」といった見方をされることもあります。
今の感覚では少し古い考えに思えるかもしれませんが、これも日本人ならではの控えめで奥ゆかしい美意識の表れと言えるのでしょう。
さすがにフォーマルな場では、アクセサリー指輪程度にとどめています。どうしても時間を確認する必要があるときだけ、腕時計を着けるようにしています。

カジュアルとフォーマルでは大きな違いが
アクセサリーをどこまで取り入れてよいかは、着物を着る場面(TPO)によって変わってきます。昔ながらの基本マナーはありますが、最近は着こなしの幅も広がり、自由に楽しむ方も増えています。ここにご紹介する表は、あくまで「無難な目安」として参考にしてください。
アクセサリー | カジュアル(街歩きなど) | フォーマル(式典など) | 注意点 |
---|---|---|---|
ネックレス | 浴衣で控えめなデザインならOK | 原則NG | 半衿や伊達衿があるので不要?(他説あり) |
イヤリング・ピアス | 小ぶりで大きく揺れないものならOK | 控えるのが無難 | 派手すぎると浮きやすい |
指輪 | 華奢なものはOK | 結婚・婚約指輪、フォーマルなものは可 | 大ぶりのものは避ける |
腕時計・ブレスレット | カジュアルなら可 | 基本的にNG | 「時間を気にしている」印象に注意 |
和装小物(帯留め・簪など) | 楽しんでOK | フォーマルな物ならOK | 茶道など禁じられている場合はNG |
アクセサリー選びのポイント
シニアや初心者には
● イヤリング・ピアスは「小ぶり」を
大きく揺れるデザインや形が大きすぎるものは、和装の静かな佇まいにそぐわない印象になりがちです。真珠や小粒ストーンなど、控えめで上品なデザインが無難です。
● ネックレスは基本的に避けて
着物の胸元にはすでに半衿や伊達衿、重ね衿といった装飾要素があります。そこにさらにネックレスを足すと、ごちゃついた印象に。どうしてもつけたい場合は、浴衣など首元が詰まっていないカジュアル着物+チョーカー風の細いネックレス程度にとどめておきましょう。
● 指輪は洋装と同様に楽しんでOK
華奢でシンプルな指輪なら、どんなシーンでもなじみます。婚約指輪や結婚指輪も、もちろん着用して問題ありません。
“引き算の美”を意識して
着物は、それ自体が完成されたスタイル。アクセサリーを加える場合は「目立たせるため」ではなく、「自分らしさを静かに添える」くらいの意識がちょうどいいように思います。
カジュアルなお出かけや、ちょっとおしゃれしたいときに、小さなピアスや指輪を取り入れるのは素敵な工夫。でも、フォーマルな場では着物そのものの美しさを活かす引き算の装いが、上品で印象に残るものです。
まとめ
時代の感覚も変わり、着物も以前より自由に楽しめるようになってきました。そこで、アクセサリーについても次のような点に気をつけると安心です。
- カジュアルな着物には、控えめなアクセサリーを楽しんでOK
- フォーマルシーンでは基本的にアクセサリーは控えるのがマナー
- ネックレスは半衿の装飾と重なるため、基本的に不要
- イヤリング・ピアスは小ぶりで大きく揺れないものを選んで
- 和の装いには「引き算の美」を意識してバランスを取る
アクセサリーを“足す”ことで着物姿が美しくなることもあれば、“足さない”ことでより引き立つこともあります。TPOを意識しながら、自分らしい和の装いを楽しんでくださいね。

ワークショップで作った夏向きのイヤリングをつけてお出かけして見たいと思っています。
写真を撮ったら記事にしたいと思います。ちょっと大振りアクセに挑戦します。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が参考になれば嬉しいです。
着付け教室を開いています。ご感想などございましたらお気軽にお寄せください。
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