「今日は着物を着て出かけよう」
そう思っていたのに、いざ着始めるとうまくいかない。
衿が決まらず、帯もしっくりこない。
何度もやり直しているうちに時間だけが過ぎ、
鏡の前でため息をつく——そんな経験はありませんか。

着付けがうまくいかない日
私はこれまで、着付け教室の講師として活動してきました。
きれいに着るための補正や帯の調整など、長年工夫を重ねてきました。
それでも最近、
帯幅が広く感じる
補正がしんどい
帯揚げがうまく収まらない
と感じることが増えてきました。
「今日はもういいか…」
そう思って、着物から少し気持ちが離れてしまう日もあります。
着付け教室の委託をやめ、
「きちんと着なければならない」という義務感がなくなったことも、
影響しているのかもしれません。
年齢とともに、着付けがうまくいかない日が増えてきました。
それでも、着物はやっぱりいい
それでも、街で着物姿の人を見かけると、
「やっぱり着物っていいな」と、思わず後ろ姿まで目で追ってしまいます。
きっちり着なくてもいい日や、気軽に出かけたい日、
そんな時に取り入れ始めたのが、洋服ミックスの着方でした。
デニム着物にショートブーツ。
長襦袢は着ず、洋服用のインナーを合わせる。
「着物だから特別に」と身構えず、
洋服のデニムコーデ感覚で外に出てみたのです。
そのときの、自由な軽快さは、
今でもよく覚えています。


自由に、けれど忘れてはいけないこと
自由に楽しむといっても、
いつ、誰とどんな場に行くのか
相手に不快な思いをさせないか
こうした点は、着物に限った特別な話ではなく、着物・洋服を問わず意識したい配慮です。
若いころの明るい色の着物を、洋服とミックスコーディネートしてタンザニア料理と紅葉狩りに出かけました。アフリカンテイストの洋服感覚で楽しく過ごせました。

頑張りすぎて、着物をあきらめてほしくない
若い頃、実家を離れることになり、
「困らないように」と最低限の着付けを習いました。
結婚後、初めて自分で着物を着て近所を散歩したとき、
なんとなく違和感を覚え見て見ると…
着物の合わせが反対になっていました(汗)。
また、たった一ヶ月着物から離れただけで、
習っていた帯結びが急に怪しくなってしまったこともあります(笑)。
こうした失敗を重ねる中で、
着付けは「一度覚えたら終わり」ではなく、
繰り返し着て、失敗して、体で覚えていくものなのだと実感しました。
本当は着物が好きなのに、
「ちゃんと着られないから」と、着物から遠ざかってしまうのは、
とてももったいないことだと思います。
大切なのは、
「きれいに着られたか」よりも
「楽しかったかどうか」。
どうしても出かけたい日の、着付けポイント
初心者の方でも、着付けの基本ポイントをいくつか押さえれば、十分にお出かけできます。
まずは、この2点だけを意識すれば大丈夫だと思います。
① 腰紐をしっかり締めること
ここが緩いと、全体が崩れやすくなります。

② 襦袢や着物を、体に沿わせること
中にたまった空気や余分なたるみを、
手でそっとなで下ろすようにして、体に沿わせます。
それだけで、衿元や裾の印象は大きく変わります。

帯は、きれいに結べなくても構いません。
コートや羽織で隠せば、ほとんど気にならないものです。

外出先でお直しサービスが受けられればなお良しですね。
京都では「京都きものパスポート」を利用した着くずれレスキューサービスが受けられます。パスポート提示で無料の手直しが可能で、主にデパートの呉服売場や協力店で提供されます。詳細は都度お調べください。
経験は、いずれフォーマルにつながっていく
着付け教室では、実際に着物を着る機会を増やすために、さまざまなお出かけイベントを講座の一環として開催しています。
カジュアルに着物を楽しむことと、
フォーマルな着付けができるようになることは、別の道ではありません。
何度も着て、外に出て、少しずつ慣れていく。
その積み重ねが、
いずれフォーマルな着付けや、
着物の知識へと自然につながっていきます。
まずは、着て出かけることが良い経験になります。

まとめ
着物は、最初から上手に着られるものではありません。
大切なのは、完璧に着ることよりも
「着てきて良かった」「また着てみよう」と思える気持ちです。
もし「今日はうまくいかなかったな」と感じても大丈夫。
着物は、何度でもやり直せて、何度でも楽しめます。
長年着物と関わる中で、初心者の頃の失敗も、
年齢を重ねてから感じる違和感も、
どちらも「着物と向き合ってきた証」だと感じています。
みなさんも、うまくいく日もそうでない日も、気軽に着物を楽しんでください。
自分が思うほど、周りの人は気にしていませんよ(笑)
着物は、自分らしく楽しむためのものです。
その日の気分や体調に合わせて、無理なく袖を通してみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
私自身も、うまく着られない時期を経験してきました。
だからこそ今は、「頑張りすぎない着付け」を大切にしています。
同じように迷っている方のために、
少人数の講座もご用意しています。
着付け教室http://カリキュラム


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