季節外れ?でも試してみたかった
芭蕉布といえば「盛夏の着物」。本来なら7月〜8月に着るのが一般的です。
でも9月の残暑はまだまだ厳しいもの。「いただいた帯飾りを合わせてみたい!」のと「本当に涼しいの?」を実感してみたくて、思い切って芭蕉布に袖を通してみました。
プライベートだからこそできる試みです。

思わず声が出るほどの心地よさ
タクシーを拾うために大通りまで歩いたそのとき、風がすっと着物を通り抜けていきました。
「あっ、涼しい!気持ちいい!」と、思わず声に出してしまったほど。芭蕉布特有の風通しのよさと軽やかさを全身で味わえました。
もちろん、着物の下には「麻の襦袢といつものくノ一麻子」の組み合わです。
東北の手仕事「ゆずりは」で購入したの本麻襦袢は何年経ってもしっかりしています。


芭蕉布ってどんな着物?
芭蕉布は、沖縄で古くから織られてきた植物繊維の布です。糸芭蕉という植物の茎からとれる繊維を使い、手間ひまかけて織り上げられます。
特に沖縄県北部の大宜味村喜如嘉で生産されています。
通気性が抜群で、汗をかいても肌にまとわりつかないのが特徴。盛夏に最もふさわしい、究極の涼感素材ともいえます。
私は直に着ないので肌にまとわりつかない特徴は実感できていません。
現在は国の重要無形文化財に指定されており、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている、まさに貴重な織物です。
独特のナチュラルなベージュ色と絣模様などのデザインも魅力の一つです。

うっとり見とれてしまう美しい夏着物特集です。
着物警察に出会ったら…?
もちろん、着物にうるさい“着物警察”に見つかれば「9月に芭蕉布なんて!」と注意されることでしょう。
でも、そんなときは笑顔で「そうなんですね、ありがとうございます♪」と受け流して立ち去ればいい。
9月6日に着るのは自分自身。袷の季節に着ているわけでもなく、心地よければ十分です。
そんな人はいませんでしたが…。
”着物警察”とは:着付けやコーディネートを厳しく指摘する上級者や年配者。親切心による場合が多いが、干渉が過剰と感じられることも…。
季節感に縛られすぎない楽しみ方
今回の体験で、着物は季節のルールを大切にしつつも、自分の心地よさを優先していいのだと実感しました。
思いがけない涼しさに出会えたことで、「多少季節がずれても大丈夫」と肩の力が抜けたように思います。
余談になりますが、単衣の着物も近年は期間が長くなる傾向です。

芭蕉布の軽やかさに助けられた9月の残暑。
「着物は楽しむもの」という原点を改めて感じられる一日でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が季節の変わり目に自身を持って自分自身が涼しい着物を着てもいいという参考になれば嬉しいです。
こんなバッグを持つと秋らしいコーディネートになります。

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