デパートで悉皆受付をしていたとき
お客様から、
『色無地を仕立てたいんですが、紋はどうしたらよいですか?』
とよくお尋ねがありました。
この記事は色無地に抜き紋を入れるべきか縫紋を入れるかわからない人にお読みいただきたいです。
私も同様の悩みを持っていました。
以前は、白く抜く抜き紋が一般的だったけれど、最近見かけないし、
皆さんどうしてるのかしら?
結論
色無地に紋を入れるかどうかは、
主に着用する場面や用途に応じて判断します。
これは一番格の高い黒留袖で背中心と袖外、胸前に5つ抜き紋が入っています。
色無地には抜き紋、縫紋どちらも1つ紋が一般的です。
そもそも、紋付きってなんなの!?
紋付きとは
着物や羽織に家紋が入ったもので、正式な場や儀式で用いられる礼装です。
紋付を着ているだけで格が高い印象になる。
相手を尊重する意図を示すことができる。
個人の家柄や伝統を重んじる姿勢を示すことができる。
着物における紋の意味と重要性
留め袖に比べると色無地に紋を入れる意味と重要性はかなり減っている。
今から誂える、訪問着や振り袖には紋は入れることは滅多にない。
紋を入れるメリット
1.格式が上がる:よりフォーマルな装いになり、礼装が求められる場に着ていくことができる。
2.家の誇りを表す:家族や家の伝統を尊重する姿勢を示すことができる。
紋を入れるデメリット
1.カジュアルさが減る:紋を入れると色無地のフォーマル度が高くなるため、カジュアルな場面や普段着としての使用が難しくなります。
2.費用がかかる:紋を入れるには別途費用がかかります。経過劣化やクリーニングなどの手入れに気を使う必要が出てきます。
お手入れも保存も大変なのね。
母から譲り受けた着物にあったような〜。
大丈夫かしら?
最近は、紋付きの色無地は、主に茶道をされる方が着る着物になっています。
大方の方は縫紋にされて問題ないそうです。
茶道の正式は抜き紋なの?
メリットにあるように、初釜や自分がお点前するときは抜き紋一つ紋の色無地に袋帯が最も格が高く最適です。
その着物はその時しか着ることができないのかしら?
そうですね。抜き紋に洒落袋や名古屋帯でパーティーに出ると、大げさになります。
茶道をしていなければ無地の着物には紋を入れないほうが良いのかしら?
色無地は帯合わせでいろんなシーンに着ることができるので、一枚目の着物にお勧めなんです。
フォーマルよりカジュアルに着物を着る機会が多い現在は、断然、紋無しがお勧めです。
着物を着る人が少ない今は、紋がなくても着物を着ているだけでもフォーマル感が出るので。
多くをもたずに着物を楽しめるってことね!
そうなんです。お茶会しか着ない〜って人は染め抜き紋が間違いないですが、
ちょっとした会にも着たいとなれば縫紋が良いです。
茶道の先生に確認するのも良いかもしれないわね。
仰る通り、確認して決めてください。
茶道の先生を目指す人なら別ですが、私の習っていた教室は
洋服でお稽古も個人的なお茶会も大丈夫でした。
そこまで要求すると茶道人口が減ってしまうと思います。
結論
色無地に紋を入れるかどうかは、
主に着用する場面や用途に応じて判断する。
フォーマルな場に多く出席する場合は抜き紋が良い。
普段着やカジュアルな外出着としても使いたい場合は紋を入れないほうが良い。
その、折衷案として縫紋を入れるのも良い。縫紋にするなら、同系色の少し濃い色が便利です。
判断に迷う場合、茶道であれば先生に確認する方法が良い。
実際問題は縫紋がベターですが、着付け練習で留め袖を着るとなぜか、気持ちがシャキッとするのは事実です。
最後までお読みいただき有難うございます。この記事が参考になれば嬉しいです。
着付け教室も開校しています。お気軽にお問い合わせください。
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