1. はじめに
着物を手放したいけれど、「買取」と「寄付」のどちらを選ぶべきか、多くの方が迷われるのではないでしょうか。
実際、私自身も着物に携わって30年以上になりますが、寄付先を探してもすでに閉鎖されていたり、買取業者に対する不安があったりして悩んだ経験があります。
買取は「少しでもお金に変えたい場合」に、寄付は「社会貢献を重視したい場合」に選ばれることが多いですが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
この記事では、その特徴を分かりやすく整理し、どちらが自分に合っているか考えるヒントをお伝えします。
2. 着物買取のメリットとデメリット
メリット
• 収益が得られる:ブランド着物や高級素材の着物は、思わぬ高値で買い取られることもあります。
• 不要なものを処分できる:手放すことで、収納スペースがすっきりします。
• 専門知識を活かした査定が受けられる(期待しすぎは禁物):査定士による価値判断が受けられますが、実際には専門知識が十分でないケースもあり、大きな期待はしない方が良いかもしれません。
デメリット
• 価格差が大きい場合がある:店舗や業者によって提示される買取額にばらつきがあります。同じ着物でも、必ず引き取ってもらえるとは限りません(実際には相見積もりを取らずとも感じる部分です)。
• 相見積もりに手間がかかる:複数の業者に査定を依頼するには、時間と労力が必要です。私も2社に依頼しましたが、どちらも着物そのものより貴金属やブランド品の有無が着物の査定額に影響するシステムでした。
• 価値が低く評価される場合もある:一部の業者では、着物の価値をあまり認めてもらえないこともあります。
3. 着物寄付のメリットとデメリット
メリット
• 社会貢献につながる:不要になった着物が新しい価値を持ち、誰かの役に立つことができます。
• 手続きが簡単:査定や価格交渉の必要がなく、スムーズに手放せます。
• 着物が再び活かされる喜び:必要としている場所に届けられることで、着物がもう一度役立つ満足感を得られます。
デメリット
• 収益が得られない:買取とは異なり、金銭的なリターンは期待できません。
• 寄付先を探す手間がある:信頼できる寄付先を見つける必要があり、選択肢が限られる場合もあります。
• 送料や手続きの費用負担が発生する場合がある:場合によっては、自分で送料や手続きの費用を負担する必要があります。ただし、私が利用した寄付先は、寄付金(5000円)以外の負担も集荷依頼の面倒な手間もなく、スムーズに寄付ができました。
4. 相見積もりの重要性と課題
• 相見積もりが必要?な理由
複数の業者に査定を依頼することで、提示された価格が適正かどうか確認できるかもしれません。ただし、スタッフの鑑定力が左右します。
ほとんどの着物は単独で高額買取になることは難しく、見積もりの労力に見合わない結果になることも少なくありません。
同じ着物を数社に依頼するには、何度も出し入れをしたり、予約を取ったり、査定(2時間以上かかりました)と大変でな労力を要します。
• 課題
時間と手間をかけても、業者間で価格差がほとんど出ないことが多いです。これは、先細りの着物市場の需要と供給のバランスに影響されているためです。
• 具体例
高額買取を期待して相見積もりではなく、複数の業者に依頼しましたが、どの業者も着物単体の査定額に大きな違いはありませんでした。
一方で、2社ともに貴金属やブランド品を一緒に出すと査定額が上がるといったシステムで、着物そのものだけで高額買取にはつながらないと感じました。
5. 結論:買取と寄付、どちらを選ぶべきか?
買取を選ぶべき場合
• 金銭的価値を重視する場合。
• 手間を惜しまない場合。
寄付を選ぶべき場合
• 社会貢献や手軽さを重視する場合。
• 買取の価格が期待ほど高くないと感じた場合。
筆者の視点
• 労力をかけて相見積もりを取るより、あっさりと寄付を選び、自ら手数料や送料を負担することで、気持ちの良い選択ができる場合もあります。
買い取ってもらえないものがある場合(襦袢や小物、着付け道具、草履、バッグなど)の寄付と、
高価買い取りが期待できそうな品物(作家物訪問着)を出すのと、複数の選択肢を混ぜて着物を手放すのも良い方法でした。
6. おわりに
• 着物を手放すこと自体が気持ちの負担になる上に、手間や時間もかかります。
そのため、自分の労力や時間の価値を考えながら、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
• 手放す着物が新たな価値を持つ未来を想像しながら、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか?
【 寄付先】着物でお針子 https://kimonodeohariko.jp/
【買取業者】福ちゃん https://www.fuku-chan.info/
【買取業者】バイセル https://buysell-kaitori.com/
最後までお読みいただき有難うございます。この記事が参考になれば嬉しいです。
着付け教室も開校しています。お問い合わせお待ちしております。
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