絽の着物で夏のフォーマルを涼しく上品に!賢い選び方とコーディネート術

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暑い季節でも、結婚式やパーティーなどの改まった集まりでは、フォーマルな装いが求められます。

今回は、夏のフォーマルシーンに最適な「絽(ろ)の着物」について、選び方・コーディネート・着用時の注意点を、着物歴30年の経験をもとにわかりやすくご紹介します。

※結婚式で母親が着る黒留袖や、葬儀で着用する喪服は、ここでご紹介する「絽の着物」とは別扱いです。本記事では、一般の大人女性が夏の結婚式やパーティーなど、華やかなフォーマルシーンで着る着物を対象に解説します。

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目次

結論

暑い季節の結婚式やパーティーなど改まった集まりでは、透け感のある「絽の付下げ」がおすすめです。

帯や小物、着付けの工夫で、少ない枚数でも対応シーンが広く、華やかで品格ある着こなしが叶います。

主なポイントは次の3つです:

  • 夏のフォーマル着物は「絽の付下げ」を選ぶ
  • 帯・小物・バッグは控えめで涼しげに
  • 汗対策や着付けに注意すれば、大人の品格ある装いに

これから、夏のフォーマル着物の選び方やコーディネート、着付けのポイントを、順を追って詳しくご紹介します。

夏のフォーマル着物は「絽」

大人の女性の夏の装いは、涼しさと上品さの両立が理想です。

夏用の着物として基本の「絽(ろ)」は、透け感のある織りで、暑い季節でも涼しく感じられる正絹素材。

四季を問わずフォーマルシーンの基本は以下の3種類

  • 訪問着
  • 付下げ
  • 色無地

夏のフォーマルシーンのおすすめは「付下げ」

訪問着は華やかすぎ、色無地は地味すぎる場合があります。

絽の付下げは控えめな柄で暑い時期にも涼やかに見え、さまざまなフォーマルシーンで着やすいのが特徴です。

例:薄いクリーム色地に墨絵柄、裾に薄緑色のぼかし入りの付下げ

絽の付下げにあっさりした絽の袋帯をしめたフォーマルな装いの写真
薄いクリーム色に墨絵の柄、少し裾の部分に薄緑のぼかしが入ってる付下げです。

帯の選び方:夏用の袋帯で軽やかに

絽の着物には、帯も夏用のものを合わせます。

紗や絽の袋帯は見た目にも軽やかで涼やか。

  • 金銀糸入りも選べますが、夏の日差しの下では落ち着いた色合いが品よく映ります。
  • 控えめな金銀の帯は、全体の雰囲気をすっきりまとめ、涼しさを演出。

例:嫁入り道具の花柄絽付下げに、ゑり善のさざれ石に流水柄の帯を合わせて、年齢に合った品のある装いに。

今回はセール品を探すつもりでお店に行ったのですが、気に入った帯は割引の対象外。

結局、定価でしたが「これなら年齢を重ねても長く使える」と感じ、思い切って購入を決めました。

嫁入り道具の付下げでも年齢に合った袋帯を合わせてコーディネートした写真

着物の色合いにもよりますが、下の帯のように少し落ち着いたトーンを選ぶと、上品でフォーマルな印象になり長く使えます。購入というよりは、「色や柄選びの参考」として見ていただければと思います。

ポイント:たくさん数を揃えるよりも、質の良い一本を選ぶことで、実用的かつ心理的にも満足度が高く、賢い選択となるのです。

小物の選び方:幅広く使えるものを

帯締め・帯揚げは、フォーマル感を保ちつつ他の着物にも使えるものがおすすめです。

  • 帯締め:淡い無地、少し光沢のあるもの
  • 帯揚げ:絽素材の白や淡色系
  • 色数:3色以内にまとめるとすっきり

シニア世代の装いには、濃い色は避け、肌や着物になじむ落ち着いた色の夏着物用の一揃えを持って置けばフォーマルからカジュアルまで使えてコスパも良くなります。

年齢に合った帯締めと帯揚げをコーディネートした付下げの写真

例:帯揚げは、薄いクリーム色に薄っすらと斜め格子柄入り。帯締めには、着物の裾の緑色を取り入れて、全体のバランスを整えました。すっきりとしつつ、地味になりすぎないコーディネートに仕上げました。

バッグと草履も夏仕様で

着物の印象を左右する重要アイテムです。

  • バッグ:金銀が少し入った布張りタイプやベージュ系
  • 草履:高さ控えめで白や薄い色

目立たない色柄を選ぶと、フォーマルにもカジュアルにも対応できます。

例:流水模様の絽バッグ(ゑり善)、涼し気な鼻緒の草履(銀座もとじ)


絹100%ですので、安心のシルクガードを施してあります。
●撥水性・撥油性に優れています。
●防汚性に優れています。
●絹の風合いは損なわれません。

引用元:[衿秀] 公式 バッグ 

「履きやすい」「疲れない」「滑らない」「晴雨兼用」欲しい性能が詰まった万能草履シリーズです。

[衿秀] 公式 草履

コーディネート実例

前結び取得のため通った教室の生徒として修了パーティーに出席した例:

  • 着物:金彩のトンボ模様入りグレー絽付下げ
  • 帯:白地の紗袋帯
  • 小物:絽の帯揚げ・レンガ色帯締め(雪輪模様)

グレーの地色で落ち着きがありながら涼しげ、金彩入で華やか、夏のフォーマルに安心の装いです。

絽の帯揚げと、夏のフォーマルシーンにふさわしい帯締めを合わせました。白い帯に合わせるため、少し引き締め感のあるレンガ色を選び、雪輪模様があしらわれたものにしています。

着用時の注意点

① 洗い+汗抜きは必須

夏の着物は汗を吸いやすく、放置するとシミ・黄ばみ・カビの原因に。

信頼できる着物専門店で「汗抜き」や「丸洗い」を行いましょう。

着用箇所や汗の量を事前に伝えると、より的確なお手入れが可能です。

この色無地は、汗じみが取れなかったため、一度色を抜いて淡い藤色に染め直しました。

汗じみが残ってしまったので染め直した竪絽(たてろ)の色無地の着物です。金彩が入った絽の名古屋帯を合わせて、フォーマルで涼しげな印象に仕上げました。

私の失敗談です。よかったら参考にしてください。

② 襦袢のサイズを合わせる

薄い夏着物は透けやすいので、襦袢のサイズ調整が重要です。

襦袢が短すぎると、足首が透けて見えてしまい、後ろ姿が美しくなくなります。

  • 袖口:着物より1~2mm短め
  • 裾:着物とほぼ同じ長さ

透け防止として居敷当を使う方法もありますが、白っぽく目立つ場合は付けない方が自然です。

③ 着付けの美しさ

着物インフルエンサーや権威のある方は別ですが、どんなに上等な着物や帯を身に付けても、着物の上質さ以上に、大人の女性らしい丁寧な着付けが美しさの要です。

  • 襟元はゆったり、帯は高すぎず
  • おはしょりや背中のしわを整える
  • プロに依頼するのも一案

清潔感と品格が整うと、自然と背筋も気持ちも引き締まります。

洋服に置きかえてみても、同じようなことが言えると思います。

まとめ

  • 夏のフォーマル着物は絽の付下げがおすすめ
  • 一枚でフォーマルからカジュアルまで幅広く活用可能
  • 汗対策や襦袢のサイズ、丁寧な着付けで大人らしい品格を演出

着物が薄いので、下着が透けないよう工夫することも大切です。

夏着物は着る機会が少ないため、「付下げ」なら一枚で安心して着回せます。もちろん、ライフスタイルに合わせて訪問着や色無地の方が出番が多い場合は、それらの着物を自信をもってフォーマルシーンに活用できます。

汗対策や涼しく着ることを意識した着付けで、大人の女性らしい上品な着こなしが完成します。

この夏は、涼やかで品格ある一枚をまとい、着物でフォーマルな場を楽しんでみませんか。

以下も合わせてお読み頂きたいです。

最後までお読みいただきありがとうございます。この記事が参考になれば嬉しいです。

着付け教室を開いています。ご感想、ご質問等お寄せください。

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