結論
着物を一年を通して楽しむことは、単なる服を着るという行為を超えて、私の日常に深い彩りと豊かさをもたらしてくれます。
季節の行事やお出かけの際に着物を着ると、洋服では味わえない特別な体験が心に深く刻まれます。
年齢を重ねるごとに、着物の奥深い魅力がより一層感じられるようになりました。四季それぞれの表情を纏うことで、日本の伝統文化の美しさと、自分自身の体型の変化を同時に感じることができます。
この着物との豊かな時間を、皆さまにもぜひ感じていただきたいと思います。年齢に関係なく、着物は私たちの人生に喜びと elegance をもたらしてくれる素晴らしい装いなのです。
歳を重ねて着物が素晴らしいと感じる理由
季節ごとの華やぎ
(1) 春:華やぎの季節
この時期には、桜や春の草花をモチーフにした着物や帯が人気です。
例えば、桜の花びらをデザインの中心にした着物を選び、帯はその花びらが水面に漂う様を表現した模様を使いました。これは3月末のお出かけにぴったりのコーディネートです。
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半襟には可愛らしい桜の刺繍を施し、帯締めは春らしい桜色にしました。このコーディネートで、まるで桜の花を身にまとっているかのような華やかさを楽しむことができます!春の訪れを感じながら、心もウキウキする装いです。
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• 春らしい色合い(白、ピンク、若草色など)やコーディネートのポイント
柔らかな白を基調に、墨絵のような瓢箪と梅の飛び柄が施された小紋を選びました。そこにクリーム色の螺鈿細工の帯を合わせることで、春のキラキラ感を楽しんでいます。このコーディネートは、まさに春の訪れを感じさせる装いです!
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少ししか見えませんが帯揚げは、ちょうちょの柄があしらわれています。
• 花見や春の散歩での着物エピソード
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有名なお寺の枝垂れ桜を背景に、白地の大島紬で春らしい一枚を撮りました。暖かくなってきたとはいえ、羽織物は欠かせないので、軽やかな単衣仕立ての綿のコートを着ています。
(2) 夏:涼を求める装い
• 夏着物(絽や紗、麻などの素材)の魅力
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祖母の麻の着物をほどいて仕立て直しました。元の身丈が足りないので少し工夫が必要でしたが、再生してまた着られるようになったのは嬉しいことですね。着物は代々受け継いでいけるところが魅力で、不思議と穏やかな気持ちになります。
• 涼しげな柄や色使いの工夫
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こちらは母の絹麻の着物です。秋草の模様が涼しげで、とても魅力的な柄です。元の身丈が足りなかったのですが、残布を使い、帯で隠れる部分に継ぎを入れて仕立て直しました。
• 暑い日を快適に過ごすためのアイデアや工夫(下着や小物の選び方)
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麻綿が入った汗取り肌着は、これ一枚で涼しさと補正の両方を叶えてくれる優れものです。おかげで、広範囲をカバーしてくれるので着物に汗がつく心配もなく、安心して着られます。
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夏の終わりでも暑さが残る時期には、茶色の麻の着物に深緑色の羅の帯を合わせて、暑さに配慮しつつ、秋の始まりを感じさせるコーディネートにしています。
(3) 秋:実りの季節
9月、まだ少し暑さが残る季節に、実りの穂を思わせる色合いの着物を着てみました。
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• 紅葉や秋草柄の着物で季節感を楽しむ
姉の羽織は、もともと色やデザインが派手すぎて年齢的に着にくいものでした。そこで、創造力を駆使し、スカジャンにリメイクすることにしました。その結果、紅葉が美しい秋の季節にぴったりの新しい一着が完成しました。
このようなリメイクは、思い出の着物などを新たな形で活用できる素敵な方法です。それらに新しい命を吹き込み、季節感を楽しみながら、オリジナリティあふれるスタイルを作り出すことができます。
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• シックな色合いのコーディネート例
帯や小物を秋らしい落ち着いたトーンにすると、6月の単衣着物が9月でも着られ、季節感を取り入れつつ、エレガントな印象を与えることができます。シックな色合いの着物は、とても便利で使いやすい着物です。
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• お茶会や文化的なイベントでの着物の楽しみ
お茶会や文化的なイベントは、着物を楽しむ素晴らしい機会です。
最近、着物好きの仲間たちが集まる気軽で楽しいイベントに参加してきました!
このような場では、他の人と着物について語り合ったり、さまざまな帯結びやコーディネートを拝見したりすることで、着物の魅力をさらに感じることができます。
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(4) 冬:格式と温もり
着付け教室の修了式には、格式のある訪問着と袋帯で参加しました。このような特別な場にふさわしい装いをすることで、より一層の気持ちを込めて式に臨むことができました。
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• 冬ならではの素材(紬や縮緬)の良さ
冬ならではの素材として、結城紬や縮緬の着物があります。真綿の結城紬を着ると、ほっこりする心地よい暖かさを感じられます。
また、着物と長襦袢との柄合わせを楽しむことで、コーディネートの幅が広がり、見た目にもおしゃれになります。このように、冬ならではの素材を使うことで、着物生活がより楽しくなります。
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• 羽織やコートを活用した防寒対策
寒い季節には、羽織やコートを上手に使って防寒対策をしましょう。
例えば、9分丈の天鵞絨(びろうど)のコートを羽織ると、しっかりと暖かさが保たれ、移動中も安心です。
このように、おしゃれなアイテムを取り入れることで、着物スタイルを楽しみながら寒さから身を守ることができます。
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• 年末年始やお祝いの場での装い
年末年始やお祝いの場では、装いを楽しむ良い機会です。
プライベートの新年会では、飛び柄の小紋を着るのもおすすめです。こうした明るいデザインの着物を選ぶことで、気分も一新し、特別な雰囲気を楽しむことができます。着物を通じて、新しい年を迎える喜びを感じてみてはいかがでしょうか。少し派手な着物にはシックな帯を合わせてバランスを取ります。
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一年を通した着物生活で得たこと
着物生活を続ける中で感じたのは、洋服とは違って、着物には手間や時間がかかるということです。
ですが、その手間や時間さえも「楽しみ」に変えられるのが、着物の魅力だと思います。
着付けの工夫やコーディネートを考える時間は、自分のセンスを磨き、自分らしさを表現する大切なひとときです。その楽しさは、手間を忘れるほどの喜びを与えてくれます。
また、購入費用やお手入れのコストも決して安くはありませんが、それ以上に、着物が持つ独特の雰囲気が女性らしさや品格を引き立ててくれると感じます。着物を身にまとうことで、自然と背筋が伸び、自分自身も周りも特別な気持ちになれるのです。
さらに、一枚の着物でも春と秋で帯や小物を変えるだけで全く違う表情を見せてくれるため、コーディネートの楽しみ方は無限大です。サイズも洋服ほど厳密ではないため、譲り受けた寸足らずの着物も工夫次第で素敵に着こなせます。例えば、洋服とミックスしてカジュアルにアレンジすることで、新しいスタイルを楽しむこともできます。
母の丈が短い大島紬を洋服ミックスで着て南座の顔見世興行へ行きました。違和感なく楽しめました。
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こうして一年を通して感じたのは、着物生活は単なる「衣服を着る」という行為以上に、自分自身の暮らしや心を豊かにしてくれるものだということです。四季折々の美しさや文化を感じながら、自分らしいスタイルで楽しむ着物生活には、計り知れない魅力があります。
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• 着物を日常に取り入れることで感じる心の変化や充実感
着物を手間ひまかけて着て出かけると、やっぱり「着て良かった」と感じます。
私は便利な洗える正絹の長襦袢「き楽っく 極」を愛用しており、自宅で簡単に手入れできるので助かっています。
替え衿や替え袖が便利で、夏には襟と袖を外して浴衣の肌着としても使っています。
• 周囲からの反応や交流のエピソード
着物を着ていると、見知らぬ方から声をかけられ、会話が弾むことがあります。嫌な目に遭うこともありますが、長い人生の中でそれはほんの2回ほどでした。
最近では、私の年代でも洋服と着物を組み合わせるスタイルが違和感なく受け入れられています。
• 四季を意識した暮らしの豊かさ
洋服では季節ごとに色や素材を変えますが、着物はそれだけではありません。
着物には季節の花や行事に合わせた装いがあり、行く場所や気持ちに配慮しつつ、自分自身も楽しむ要素があります。
着物生活を続けるコツ
着物生活を続けるコツとして、以下のポイントを活用すると便利です。
• 便利グッズの活用:
コーリンベルトやストレッチ腰紐、メッシュ伊達締めなどの着付けアイテムを使うと、着崩れを防ぎながら簡単に着付けができます。また、体型の変化や体力の衰えといった避けられない悩みの助けにもなります。
• 効率的な準備:
着物や小物を事前に揃え、着付けの順番を意識してセットしておくことで手間を減らせます。
• リサイクル利用:
リサイクルショップやアンティークショップで手頃な価格のアイテムを購入し、費用を抑えながら個性的なスタイルを楽しむ。
• 練習と工夫:
YouTubeなどを参考に自分に合った方法を試行錯誤しながら見つけることで、次第に楽しくなります。
• 自分らしい着物選びのポイント
自分らしい着物選びのポイントは、まず顔映りを考慮することです。
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あまり個性的すぎるデザインや色柄を避けることで、着回しがしやすくなり、より多くのシーンで活躍します。
シンプルで落ち着いた色合いや柄を選ぶと、季節や気分に合わせた小物や帯との組み合わせも楽しめます。
また、自分の体型や顔の印象に合った着物を選ぶことで、着るたびに自信を持って楽しむことができます。自分らしさを大切にしながらも、普段使いにも適した選び方を心がけましょう。
• 着物の手入れや保管方法
着物を着た後は、全体に汚れがないかチェックし、空気をしっかり抜いてたたんで、たとうしに入れて乾燥した場所で保管します。最も良いお手入れ方法は、何度も着ることです。着物の数を増やすことに焦りがちですが、まずは着物と帯1セットを季節ごとに小物合わせで変えていくことから始めてください。
• 無理なく日常に着物を取り入れるアイデア
きれいに着付けができなくても、コートや羽織を羽織る季節に合わせて着物を着てお出かけしてみてください。最初は洋服と合わせても全然問題ありません。
おわりに
何度も繰り返しになりますが、正直に言うと、長年着物を愛用している私でも、体力の衰えもあり、最近は少し面倒に感じることがあります。
それでもなお、着物を着る理由は、着ることで感じるシャキッとした気分や、裾が揺れる感触が心地よいからです。大きく手を上げたり足を踏み出したりすることができず、仕草が制限される一方で、自然とおしとやかになるところも魅力です。
• 一年を通して着物を楽しんだことへの感想と今後の展望
一年を通して着物を楽しんできたことで、季節ごとの美しさや、着物ならではの風情を改めて感じることができました。春の桜柄、秋の紅葉柄など、季節の移り変わりと共に着る着物が違うのも大きな楽しみです。また、着物を着ることで気持ちが引き締まり、日常がより特別なものに感じられるようになりました。
今後は、さらに多くの種類の着物や小物の組み合わせを試してみたいと思っています。
着物を通じて新しい自分を発見したり、もっと多くの人とその魅力を共有したりすることが目標です。そして、より深く着物文化に触れ、着物のコーディネートや手入れのテクニックも学びながら、もっと自分らしい着こなしを追求していきたいと考えています。
これからも四季を感じながら、着物と共に豊かな時間を過ごしていきたいと思います。
• 読者へのメッセージや着物生活を始めたい方へのエール
着物は、ただの服ではなく、心を豊かにし、日常に彩りを加えてくれる特別な存在です。最初は少し敷居が高く感じるかもしれませんが、一歩踏み出せば、その魅力にすぐに気づくことでしょう。着物を着ることで、日々の生活が少し丁寧になり、心地よい変化を感じることができるはずです。初心者の方も、焦らず自分のペースで楽しんでください。少しずつ、自分らしい着物ライフを築いていけることを応援しています。
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この記事が参考になれば嬉しいです。最後までお読みいただき有難うございます。
着付け教室を開校しています。お気軽にお問い合わせください。
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