みつ子「着物、いる？」
そう声をかけられたとき、断るのも気が引けたり、欲が出たり、つい「はい」と答えてしまったことはありませんか。
私自身、これまで着物好きの方や、着物を着ない方から、たくさんの着物を頂いてきました。
どれも一見するとありがたく魅力的で、
「今は着なくても、いつか着るかもしれない」
そう思って受け取ったものばかりです。
けれど時間が経ち、断捨離を意識する年代になって、ふと立ち止まるようになりました。
この着物たちは、本当に私の暮らしに合っているのだろうか。
そして、もし合わなかった場合、私はそれらをどうしたらいいのだろうか――。
正直に言うと、後悔だらけです。
でも、その経験があったからこそ、
今では「もらう・もらわない」を考える自分なりの基準を持てるようになったのだと思います。
この記事では、頂き物の着物を実際に受け取り、増やし、
そして多くを手放すことになった私自身の経験をもとに、
「着物をもらう」という選択について、今あらためて感じていることをお話しします。
これから着物を始めたい方、
今まさに「もらうかどうか」で迷っている方にとって、
判断のヒントになれば幸いです。
※このブログを書いている私は、これまで着物に携わる仕事や個人的な経験を通して、たくさんの着物と向き合ってきました。現在は、着物を無理なく楽しみたい方に向けて、リサイクル着物選びの考え方や、今の暮らしに合う着方についてのご相談もお受けしています。「何を選べばいいか分からない」「増やしたくないけれど着物は楽しみたい」など、気になることがありましたら、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
これまで私が頂いてきた着物について
着物好きさん（特に先輩愛好者）からの頂き物
着物好き、特に長く楽しまれてきた先輩愛好者さんから頂いた着物は、季節限定で楽しむ物や素材的に本当に素晴らしいものが多くありました。自分ではなかなか選ばない高価で贅沢なものや、通好みの独特な素材です。
身につけることで、着物の奥深さや面白さを体感できたのは、間違いなく貴重な経験でした。
みつ子帯もお正月限定の柄や珍しい素材の髭紬の帯に惹かれていただきました。出番が少なく泣く々手放しました。
着物を着ない人からの頂き物
一方で、着物を着ない方から頂くものには、また別の魅力がありました。しつけが付いたままの着物や、新品の帯締め・小物類などは目新しく、新鮮な感覚を取り入れられる点では嬉しかったです。
ただし、それらが必ずしも「今の自分に必要なもの」だったかというと、そうとは限らなかったように思います。
みつ子持っていない柄だったので、なんとか着る工夫を考えましたが結局、手放しました。
頂いた着物は、最終的にどうしたのか
みつ子結論から言うと、頂いた着物の多くは手放しました。
身内の了承を得たうえで、売れそうなものはメルカリに出品しました。ただ、着物好きさんからの頂き物については、気持ちの面でどうしてもメルカリに出すことができず、引き取り業者に依頼し、自分の着物と一緒に処分しました。
もちろん、今も手元に残している着物もあります。ただ振り返ると、量としてはかなりの数を手放したことになります。
「着物 de お針子」というサービスを利用して手放しました。
よろしかったら合わせてお読みください。
着物をもらって気づいた、正直な後悔
みつ子今思うと、「目新しいから」「せっかくだから」という少し欲張りな気持ちで受け取っていた面がありました。その結果、結局は手放すことになり、心理的に良い循環ではなかったと感じています。
「着物は置いておいても傷まない」「いつか着るかもしれない」――
そんな言葉を、自分に都合よく言い聞かせていたのだと思います。
その結果、「今の自分の暮らしに本当に合っているか」という大切な視点を、後回しにしてしまっていました。
着物を受け入れるということは、保管し、管理し（寸法直しなど）、そして不要になったときには手放すという一連の手間と時間を引き受けることでもあります。
特に感じたのは、判断するために使う脳のリソースです。「着るか、着ないか」「直すか、処分するか」と考え続けることは、思っている以上に負担になっていました。
着物は「もらう」より「選ぶ」ほうが楽だった
みつ子こうした経験から、今は「着物は自分で選ぶほうが楽だな」と感じています。
着物を着たいけれど、まだ持っていない方や、高価なものには手が出ないという方は、
まずはリサイクルショップで、サイズが合い、今の自分の暮らしに合ったものを、少しずつ揃えていくのが一番無理のない方法だと思います。
自分の暮らしに合った着物を選ぶことで、無理なく、気持ちよく着物を楽しめるようになります。
着物は目的を絞って始めるのがおすすめ
みつ子着物は、最初から幅広く揃えなくても大丈夫です。
例えば、
- ランチに行くため
- お茶のお稽古のため
- 優雅な雰囲気を味わいたい
- 洋服ミックスでかっこよく着たい
など、「何のために着るのか」を決めて始めると失敗しにくくなります。
慣れてきてから、少しずつ幅を広げていく。その際も、コスパを意識し、無理のない範囲で揃えていくことが大切だと感じています。
もらう前に考えておきたいチェックリスト
みつ子着物を「もらう」かどうか迷ったとき、私は今、次のことを自分に問いかけるようにしています。
- この着物を着る場面が具体的に思い浮かぶか
場面が浮かばない着物は、着なくなる可能性が高いです。 - サイズ直しや管理の手間を引き受けられるか
「タダでもらう」＝「負担ゼロ」ではありません。 - 自分の好みと、今の装いに合っているか
素敵な着物が、必ずしも今の自分に似合うとは限りません。 - 着なかった場合、どう手放すか想像できるか
手放す未来が想像できない着物は、心の負担になりやすいです。 - 今もらう理由がはっきりしているか
理由のない「一旦もらう」は、後悔の種になりがちです。
まとめ｜頂き物の着物と、これからの付き合い方
着物をもらうこと自体が、悪いわけではありません。私もたくさんの着物を頂き、その中で楽しい時間や学びを得てきました。
ただ、「目新しいから」「せっかくだから」という理由だけで受け取った着物ほど、あとから悩みや迷いの種になっていたように思います。
着物は、持った瞬間から、着る・しまう・直す・そして、いつか手放すという時間と気持ちを伴う存在です。
だからこそ、これから着物を始めたい人ほど、「もらう前に立ち止まる」ことが大切なのだと、今は感じています。
自分の暮らしに合う着物を、自分のペースで、少しずつ選んでいく。それは決して遠回りではなく、長く心地よく着物を楽しむための一番の近道かもしれません。
もし今、着物を「もらうかどうか」で迷っているなら、この経験談が、あなた自身の答えを見つけるための小さなヒントになれば嬉しいです。
※このブログを書いている私は、これまで着物に携わる仕事や個人的な経験を通して、たくさんの着物と向き合ってきました。現在は、着物を無理なく楽しみたい方に向けて、リサイクル着物選びの考え方や、今の暮らしに合う着方についてのご相談もお受けしています。「何を選べばいいか分からない」「増やしたくないけれど着物は楽しみたい」など、気になることがありましたら、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が参考になれば嬉しいです。
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