江戸小紋を染め変えて有効活用する方法

みつ子

お嫁入に持ってきた朱色の江戸小紋、数回しか着ていないのに60代後半の私には派手でもう着られないです。
値打がありそうな彫師の銘も入ってるのに残念です。
同じようなお悩みのをお持ちの方はいませんか?

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まき

私のも派手で無地っぽい柄で
まだ、しつけがついているわ!

まり

そういえば私も細かい柄の無地っぽい着物があるわ!

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目次

江戸小紋ってどんな着物?

江戸小紋

は小紋の一種ですが、遠目には無地に見えるほどの小さな柄を一色のみの型染めで染めた小紋です。

特に格が高い柄として江戸小紋の三役、五役があります。

江戸小紋三役とは
  1. 行儀
  2. 通し
グレーの鮫小紋
江戸小紋五役とは三役に下記二柄を合わせて五役とされる。
  1. 万筋
  2. 大小あられ

もし、この柄の江戸小紋をお持ちなら、見積をとり年齢に合った染め直しもご検討ください。出番が多い着物になります。

江戸小紋の用途

柄が細かくなるほど慶弔で着用できる

五役の柄

色目があまり明るいものは【弔】には適さないので、年代に合ったグレーやベージュ系は慶弔両用で便利です。

極端に明るい色目や、濃すぎる色目は着用範囲が限られます。

江戸小紋の染め替え手順

薄い色めに染め替える場合は、一旦色抜きをして白生地に戻してから好みの色に染めます。

一色染めの染め直し手順

今の色の上から染める場合

  1. ほどいて一反の着尺につなぎ合わせる(解き端縫い)
  2. 好みの色を指定して一色染め、上から色をかける(もともとの色があるので色見本の色には染め上がらない)
  3. 仕上がりの色を確認し大丈夫なら仕立てる
  4. 胴裏が黄ばんだり汚れている場合は新しい物に交換、使える時は使う
  5. 八掛も同色に一緒に染めてもらうか八掛を新規で選ぶ
  6. 染め上がった反物を今の自分の寸法で仕立てる

派手な色目がピンク系なら紫や紺色、朱赤系なら茶色を掛けると色目が馴染みやすい。

派手な着物が何歳でも着用可能になり費用は掛かるが、新品を誂えるより低価格でできる

実際の染め替え

いよいよ、私が失敗なくコスパも良い方法でやってみた結果をお伝えいたします。

江戸小紋が派手になったので染め直しを検討。色抜きをすると費用も増すし、せっかくの型染めがなくなる可能性があるので今の着物の色に濃い目の色をかけることに決定。

染め色見本の小さな裂では微妙なニュアンスの色は難しいので、一か八かでチョコレート色を上から染めてもらう

濃紺や濃い紫、濃茶などをかける場合はイメージに近い染め上がりに仕上げることが出来る

一旦、着物をほどいて反物状につなぎそれをチョコレート色の染液にドボンとつけて染めます。(八掛も一緒に)

数工程を経て、そのあときれいに幅を整え着物に仕立てます。

朱赤の上から染めるので仕上がりの色は予想ができないですが、案外いい色に仕上がってきました。

もともとの朱赤は今は若い人でも着ない色味です(。明るい色味も昔とはトーンが違ってきてます)

嫁入り道具として母が作ってくれたので何とか再活用できそうです。

チョコレート色をかけた結果、手持ちのいろんな帯も合わせやすいし重宝しそうです。

自分の帯に合う色目を想定して染める色を決めるのがコツです。

染める工程で反物に多少縮みが生じる場合があります。

生地的に縦方向に縮みが出たらしく身丈(着物の丈)がギリギリになりました

そこは、腰ひもの位置を下げる着付けテクニックで乗り切ります

元々の色は朱赤に江戸小紋の角通しという型で染められていました

重要無形文化財型彫師、樋口実氏の作品です

朱色の江戸小紋の端切れ部分

細かい四角形が規則正しく並んでいます

染め直し後の江戸小紋
型のある白い部分が薄茶色で染まった部分が下の色を通して濃いチョコレート色です

反物に余裕があれば、今のご自身の着物寸法に仕立ててもらえます。若い頃の着物とは裄や袖丈など微妙に変わってきているのでこの際、しっかりと今のサイズを採寸してもらい、仕立て直すといいです。ただし、長じゅばんも寸法を合わせてください。

以下の汎用性のある長襦袢(き楽っく)も便利でコスパ良く使えるのでオススメです。

まとめ

江戸小紋の染め替えメリット

  • 派手になった白抜紋の入った江戸小紋は染め替え時に紋を省くと着用範囲が広げられる。どうしても紋を入れたければ刺繍紋(縫い紋で共色)にすると着回しが聞きく。
  • 費用は掛かるが全く新しい着物によみがえらせることが出来る。
  • 名古屋帯を締めて、カジュアルシーン(街着やランチなど)に着たり袋帯で略礼装(カジュアルな結婚式やパーティー)の装いができる。
  • 柄に季節感がないので着回しやすいし格が高い柄なので場所を選ばず安心して着ていける着物になる。
  • 洋服の中に混じっても悪目立ちせず、品よくいられ現代社会に最適なスーツ感覚の着物になる。
鮫小紋に螺鈿の名古屋帯でお食事会へ
チョコレート色に染め直した江戸小紋に花倉織の帯で茶道の稽古に

色無地にしかみえませんが、江戸小紋角通しです。カジュアルシーンから袋帯で準フォーマルまで対応可能の便利な一枚に生まれ変わりました。

今回の染め直しは文字商店さんにお願いしました。京都の悉皆屋さんです。

江戸小紋の染め替えデメリット

  • シミや黄変などがあると好みの色に染め替えることが出来ない場合がある。(江戸小紋に限らず)
  • 元々の色の上に染めるので染め上がりの色を指定することが出来ない。
  • 生地に縮みが生じる場合があるので自分寸法で仕立てられないことがある。
  • 解き代、染め替え代、仕立て代など費用がかかる。

メリット、デメリット両方鑑みても、箪笥に眠らせておくより染め替えの一枚があればお持ちの帯合わせも苦労なし。まずはスモールスタートでワンセットコーディネートを作りましょう。名古屋帯、袋帯でカジュアルシーンから略礼装まできものライフをコスパ良く楽しめます。

派手な色目がピンク系ならグレーや紺色、朱赤系なら茶色を掛けると色目がおさえらえれ馴染みやすい。

以上参考になれば嬉しいです。

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最後までお読みいただきありがとうございました。

着付け教室も開校しています。

ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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