こんにちは、着付け講師のみつ子です。
今回は着物初心者さん向けに「八掛の選び方」について解説します。この記事は5分で読めます。
着てみたい着物がある!けど、八掛の色が鮮やかすぎて昔風、何とか今風に替えたいけど選び方がわからないわ。
とりあえず、店員さんの「お勧め」を聞いて買えばいいだけでしょ?
八掛選びにおいて、お勧めだけを見て選択すると、とんでもない目にあいます。
着物初心者さんが八掛選びで失敗しないように着付け講師、自装、他装歴30年のブログ管理人が、誰でも真似できる「八掛の選び方」について徹底解説します。
この記事を見ながら八掛を探せば、大きな失敗にあう可能性はかなり低くなりますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事はこんな人にオススメ
- 持っている着物の八掛を替えたい人
- 着物に合う八掛の探し方、選び方を知らない人
この記事の結論
八掛の探し方、選び方には大きく4つのステップがあります。
①どんな雰囲気で着物を着たいか
②候補の色の八掛のリストアップ
③新しい八掛の情報を見る
④出来上がりを予想する
この記事で分かること
- 八掛の基礎知識
- 八掛の色の探し方
- おすすめの八掛の色柄
八掛の基礎知識
八掛とは
そもそも八掛(はっかけ)とは何を指す言葉?
八掛の意味や役割は?
八掛は袷の着物の裏地のことで裾回しとも言い、歩いたり、座ったりの動きによって着物の表地が傷まないよう保護したり、裾さばきをよくする役割があります。
袖口や腰から下の裾周りに付けられています。
八掛のメリット・デメリット
メリットは、歩いたり、座ったりの動きによって着物の表地が傷まないよう保護したり、裾さばきをよくする役割があります。取り替えることによって、イメージが変えられる。
デメリットは、ある程度は、消耗品なので、擦り切れたり、汚れたりしたら取り換えをし、費用が掛かる。
八掛の探し方
ステップ1:イメージに合わせた八掛の色のリストアップ
- 同色 フォーマルな印象向き カジュアルな着物も可
- 同系色 フォーマルな印象向き カジュアルな着物も可
- 類似色 どちらかというとカジュアルな着物向き
- 補色 カジュアルな着物向き
- 反対色 カジュアルな着物向き
フォーマルな印象にしたければ同色系、か類似色、カジュアルで個性的にしたければ補色や反対色に。
これくらいにしておくと、帯合わせにそれほど困らず、メリハリも付く。
同色の八掛はとも八掛(着物の色と同じ色)同様、フォーマル向きで裾の印象が柔らかい。
個性的ではないが、着回しやすい。
同色系も明度のみに差をつけ、明るめをつけると柔らかく、濃い目だと、落ち着いた雰囲気になる。
例えば、ブルーの着物に薄い水色は柔らかい印象、濃いブルーなら落ち着いた感じということです。
表地が薄い色の場合、濃いめの八掛にすると透けて見えることがあるので要注意。
その場合は、無地八掛でなく、周りだけ色がついている「ぼかし八掛」にするとよい。
類似色で彩度低めは大人な印象にしたいときにお勧め。
ステップ2:実店舗で見る。
セールの時に色目を確認しておく。合わせたい着物の色目に合いそうな八掛をステップ1で調べて品番等控えておくか
セールでいい色目が安ければ購入する。八掛は少々難有でも目立たないので、使用に差支えないか店員さんにしっかり確認でき安心です。
ステップ3:ネットショップで情報を見る
ネットショッピングは色目が違って見える場合があるので黒以外はあまりお勧めしないが、価格や品番で確認して
実店舗で探す目安とするのはいい方法です。あくまでも、実際の色で購入した方が間違いないです。
ステップ4:雑誌の写真や友人知人の実用例を見せてもらう
着物上級者や雑誌などの八掛情報を見て決めるのも一考。
ステップ5:将来をも予想して決定する
着物雑誌で特集したりもしているので図書館で調べてみるのもいいと思います。
今後も見据えて決めるのも大事かと。頻繁に着ない限り、傷んで、八掛を取り替えることはあまりないと思うので、
歳を重ねても対応可能な色目にしておくとよい。
着物全体の雰囲気を決定するとき必見、見るべき項目とは?
見るべき項目:①帯合わせしやすいか
見るべき項目:②着物全体の雰囲気をフォーマルにしたいか?
見るべき項目:③着物全体の雰囲気をカジュアルにしたいか?
見るべき項目:④今より地味にしたいか?
見るべき項目:⑤個性的にしたいか?
見るべき項目:⑥着物の色が濃いか薄いか?
見るべき項目:⑦一味違った柄八掛か?
見るべき項目:⑧襦袢地など八掛以外から選ぶか?
おすすめの八掛の色柄
姉の派手だった大島紬も落ち着いた感じになったので、着用可能に。
- 柄八掛はきもの地の色や柄の色、使う予定の帯から一色とるとバランスがいいです。
- 八掛は、思いのほか目立つので、ちょっと変わった八掛でお気に入りを見つけたら裏の柄で話題になったりするので楽しいです。
- 反対色や補色はどちらかというと帯合わせや他の小物とのバランスがとりにくい場合があるのでカジュアルな着物にお勧めです。
- その場合も、あまり、鮮やかすぎない彩度低めがまとまりやすいでしょう。
- どうしても、メリハリが効いたコーディネートになるので初心者さんにはハードルが高くなってしまいます。
- できれば、着物、八掛、帯や小物の色味を3色までに抑えてください。
- ちょっと、冒険したい場合も色数を控えるとかえって、際立って良いかも知れません。
八掛の色選びに迷う場合は、着物の柄に使われている色を合わせるとまずは、失敗がありません。
八掛の取り換え時期は?
- 裾の部分が擦り切れてきたとき。
もし、同色の八掛が用意できるなら、袖口は取り替えず、裾のみの取り換えを検討する。費用面で要検討。
- 派手な着物の八掛を替えると、また着用可能になったり、印象が変わり、着やすくなるような場合。要費用検討。
- 費用もばかにならないので、本当に着用するかよく考えることが必要です。
- すぐではないが、八掛を替えたい着物がある場合は、候補の色を何色かピックアップしておき、セール時を待つ。
- 悉皆屋さんに相談して、八掛以外の物で安く手に入るものがあるか見てみる。例えば、襦袢地や端切れなど。以外に安くておしゃれなものが見つかることがあります。
悉皆(しっかい)屋さんとは、「一つ残らずことごとく」という意味で着物に関する相談をうけてくれる相談窓口です。実店舗や、ネットでお問い合わせして実店舗で相談するのがおすすめです。
よくある質問
八掛を買うならどどこがおすすめ?
呉服店、悉皆屋さん、ネットショップ(黒に限り)、デパートなどの催事、ネットで取り寄せて実店舗で確認後購入する。
色味のちょっとの違いで、考えていた印象がガラッと変わり、失敗につながるので(*_*;注意しましょう
年齢によって変えるべき?
年齢によって変える必要はありませんが、着回しやすいコーディネートを目指すなら、色のトーンを下げて、全体の雰囲気を落ち着かせておくといいでしょう。
大島紬に合う八掛は?
泥大島(こげ茶や黒)には辛子色や落ち着いた臙脂色、藍大島には同系色の濃淡、色大島には着物の一色からとるといいでしょう。白大島には表地に八掛の色が響かない、ぼかしの物や薄い色を選びましょう。
小紋に合う八掛は?
一概に、何色とは言えませんが、小紋のベースの色や、柄に使われている色を合わせるとまとまります。上の写真の更紗の着物やピンクの小紋がそうです。
八掛交換料金は?
10,000円~20,000円程度が相場ですが、生地の質や、お店によって異なるので、依頼する前に、何軒か見積をとり、対応のいい店に出しましょう。
八掛交換は自分でもできますか?
和裁の技術者ならできますが、一般的には自己流ではできません。専門家に任せてください。
「八掛の選び方」についてのまとめ
いろいろと述べてきましたが、八掛は表からはあまり見えませんが、ちょっとした、ふきの色目だったり歩くときに見える衽の裏の色で印象が大きく違って見えます。
「ふき」とは着物の袖口や裾にある裏地を出して仕立てている部分で、少ししか見えませんが、着物の印象を意外と左右します。
カジュアルな小紋や紬にはある程度の遊びを楽しんで色選びをしてください。
ただ、大胆な色の八掛を合わせると、コーディネートの幅は狭まってしまいます。
フォーマル向きは同色か同色系にしてください。
費用面を考えると、頻繁に八掛を取り換えておしゃれを楽しむことより、帯合わせや、帯締め、帯揚げ、季節の帯飾りなどで充分楽しめますし、その方が経済的です。
半衿のおしゃれも着物のイメージを変える要素です。手軽なアイテムでいくらでも楽しめます。
なので、八掛は、コーディネートし易いもの、先々にも対応できる色目にしておくのが最適解だと思います。
私自身のコーディネート例ですが、参考になさって頂き、着物ライフを賢く、豊かに、末永く楽しんでいただきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
着付け教室も開校しています。お問い合わせお待ちしております。
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