最近、塩瀬(しおぜ)の染め帯を締めて出かける機会がありました。
久しぶりに袷(あわせ)の紬に合わせて、同じお店で仕立ててもらった3本の帯を順繰りに締めていきました。
生地も帯芯も多分同じで、どの帯も、なぜかとても締めにくかったのです!
同じ手順で締めていてもうまくいかない帯結び、そんな経験をした人はいませんか?

塩瀬の帯が締めにくい?同じ名古屋帯でも違いが出る理由とは
塩瀬の染め帯は
ツルツルした生地のため、巻くときに滑ってしまい、うまく力が伝わらない印象でした。
さらに、帯芯が柔らかくて腰がなく、お太鼓の形が決まりにくいのです。
見た目は同じ名古屋帯でも、実際に締めてみると扱いにくさを感じることがあります。
塩瀬の帯は上級者向けとも言われる理由が、よくわかりました。
着付け講師の私でも、「これはちょっと手間がかかるなぁ」と感じてしまいました。
柄や色合い、そして塩瀬ならではの上品な質感は大好きなのですが、
きれいに形を整えるまでに時間がかかってしまうのです。
年齢とともに帯結びも手の動きなどがスムーズに行かなくなったことで、手間を感じたのかもしれません。
塩瀬の帯は上級者向け?そう言われる理由
塩瀬の帯は、見た目の美しさやしなやかな質感が魅力ですが、扱いには少しコツが必要です。
着付けの現場でも「塩瀬は少し上級者向け」と言われることがあります。
その理由は、主に次の4つです。
- ① 生地がツルツルして滑りやすい
摩擦が少なく、帯が緩みやすいので、しっかり締める技術が必要です。 - ② 芯の固さや仕立てによって締め心地が大きく変わる
柔らかい芯だとふにゃっとして形が決まりにくく、硬すぎると締まりづらい。見極めが難しい素材です。 - ③ お太鼓の形が整いにくい
生地に張りが少ないため、ピシッとしたお太鼓を作るには慣れが必要です。 - ④ 結び跡やシワがつきやすい
滑らかな絹地なので、丁寧に扱わないと跡が残りやすい傾向があります。 
つまり、塩瀬の帯は「美しいけれど繊細」。
柄や質感を楽しむには、ある程度の経験や帯扱いの慣れが求められるのです。
締めにくい帯の特徴|塩瀬生地と柔らかい芯に注意!
- 塩瀬の生地:ツルツルして滑りやすく、緩みやすい
 - 柔らかい帯芯:腰がなく、形をキープしにくい
 - 帯芯との添いがない:ふにゃっとしてお太鼓が整わない
 
これらが重なると、帯枕の位置を左右対称において、いくら丁寧に締めても安定しにくく、初心者さんにはハードルが高い帯になります。

締めやすい帯の条件とは?八寸帯との違いを比較してみた
一方で、以前からよく締めている八寸帯(はっすんおび)は不思議なくらいスムーズ。
ざっくりとした織の帯で、程よい「張り」があり、体にしっかり沿ってくれます。
お太鼓もすぐに形が決まり、崩れにくいので、着付けがぐっとラクに感じます。
初心者の方や、帯結びに時間をかけたくない方には、織の帯がおすすめです。


初心者におすすめの帯選び|購入前にチェックしたい3つのポイント
- 生地のコシを確かめる
ある程度のハリがあると締めやすいです。 - 帯芯の固さを質問してみる
同じデザインでも「柔らかめ芯」「硬め芯」で締め心地がまったく違います。帯のメーカーさんに相談するのが一番良いですが、できない場合は、着物やさんに締めやすい帯芯を入れるようにお願いしてください。 - 実際に触って滑らないか確認
摩擦感や厚みの違いを感じてみましょう。 
スタッフさんに相談するのもおすすめですが、帯の性質をよく理解している方に聞けると安心です。
まとめ:帯選びのポイント
同じ名古屋帯でも、素材や芯、仕立て方によって締め心地はまったく違います。
「見た目」だけで選ぶと苦戦することもありますが、自分に合う帯を見つけた時の着付けの快適さは格別。
締めやすい帯は、着物ライフをもっと楽しく、心地よいものにしてくれます。
- 塩瀬の帯は滑りやすく扱いにコツが必要で、上級者向け
 - 八寸帯などの織の帯は張りがあり、形が整いやすく初心者向き
 - 帯芯や仕立て方によって締め心地が大きく変わる
 - 購入時は試着やスタッフ相談で締めやすさを確認する
 - 自分に合った帯を選ぶことで、着付けがラクになる
 
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が参考になれば嬉しいです。
着付け教室を開いています。お問い合わせお待ちしております。

	
			
			
			
			
			
			
			
			
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