「派手すぎて使わない帯がタンスに眠っていませんか?でも処分するにはちょっともったいない…」と思ったことはありませんか?
この記事では、年齢とともに少し派手に感じるようになった帯を活かす方法をご紹介します!
特に、デニム着物との相性が抜群だとわかったので、デニム着物を持て余している方にもきっとお役に立つ内容です。
結論
カジュアルな着物に派手な帯を合わせる際のポイントは、シンプルなデザインの着物(例えば、デニムや小紋)を選ぶことです。これにより、洋服のような新鮮でカジュアルな印象を作り出せます。派手な帯が際立ち、全体のコーディネートがバランスよくまとまります。
派手な帯を活かす6つのコツ
カジュアル着物全般に、この6つのコツで派手な帯をおしゃれに使いこなせます!
1. カジュアルシーンでカジュアル着物に合わせる
縞や無地のカジュアル着物(デニム着物、小紋、紬など)に合わせて締めることで、派手な帯がポイントになり、洋服感覚の新鮮な印象になる。
2. 着姿の色味を三色程度にまとめる
帯、着物、小物の色を三色程度に抑えることで、全体のバランスがよくなる。
3. 和洋折衷コーデに挑戦する
帽子や洋風のアクセサリーなど、洋服の要素を取り入れて、現代風のアレンジを楽しむ。
4. 上物を羽織って帯の露出を抑える
コートや羽織を着て、派手な帯を少し隠すことで落ち着いた印象になる。
5. 銀座結びでボリュームを抑える
銀座結びなど、帯の結び方でお太鼓のボリュームを控えめにし、派手さを和らげる。
6. 年相応の帯締め・帯揚げを選ぶ
年齢にふさわしい落ち着いた帯締めや帯揚げ、小物を使って全体のバランスを年齢にふさわしい雰囲気に整える。
姉の派手な帯からのメッセージ
姉の派手な帯がずっと眠っていて、年齢的には合わないかもしれないけど、未使用のままが忍びなくて、どうしても締めてみたくなりました…
珍しい夏の洒落袋帯で、いろいろコーディネートを考えて、実際に着て出かけてみました。
ずっと使わずじまいの若い頃の帯、どうにか活かせたら嬉しいわよね。
え、みつ子さん、それってコーディネート次第で活かせるの!?
私、コーディネートが苦手なんですけど…
すべての帯が活かせるわけではありませんが、まずは
「これを締めてみたい!」と思う一本を選んで試してみましょう!
そこから始まります!
実践編
五月晴れの日に、着物好きの方々と着物リメイク相談会を開きました。
その日の帯のコーディネートを考えていたとき、ふと思い浮かんだのがデニム着物でした。
派手な姉の帯は、紺地に赤と黄色のバラ模様が手描き風に染められた夏用の洒落袋帯です。
デニム着物の色と帯の地色が同系色で、全体の色味が三色以内にまとまり、相性は良いと感じました。
プライベートな場なので自由度も高く、私はデニム着物で参加することに決めました。
リメイクした衣類やリメイク本をキャリーケースにたくさん詰めて、大荷物になってしまいました。
少しでも身軽にするために、革のスニーカーとサンバイザー、斜めがけバッグという和洋折衷のコーディネートで出かけました。
普段の足袋に草履、日傘、手提げバッグとは大きく違います。道中は羽織を着ていたので、帯の前部分が少し見えるだけ。これくらいの赤なら派手さも抑えられます。今回で人生3回目の和洋折衷コーディネートです。
道中って歩き?それとも乗り物?
まきさん、地下鉄の駅までお寺の中を歩くのよ。だから、結構人目に触れるわ。
みつ子さんや私達の年代だと、和洋折衷コーデはちょっと抵抗があるけど、人目は気にならなかった?
私も充分、コーディネートを考えたものの、歩いているうちに『失敗したかな…』って後悔しちゃった。でも、今さら引き返せないしね。
みつ子さんなら、着物に詳しい人に何か言われても、反論できそう。
でも、初心者の私は無理そうだわ。
まりさん、私だって言い返せるかどうか分からないけど、もし何か言われたら『ありがとうございます!』って笑って立ち去るつもりだったわ。
みつ子さんでも言い返さないの?
言い返しても時間の無駄でしょ。そんなことで時間を使うのはもったいないわ。私、いつもギリギリで急いでるし。
私もそれ、これから参考にするわ。
案の定、地下鉄に乗った途端、シルバーシートの隣のおばあさんの視線を感じて、嫌な予感がしたのよ。
嫌な予感!?
ところが⋯
駅についてホームに出たら、斜め前に座っていたご婦人が声をかけてくれてね。
『素敵な着こなしですね〜!』
私はびっくりして、
『年甲斐もなく変な格好してるんですけど、ありがとうございます』
ってとっさに答えちゃったの(^_^;)
もっとびっくりしたのが、隣のチラチラ見ていたおばあさんも一言
『素敵!』って言って立ち去ったのよ。
そのあと、ご婦人とは改札までずっと着物の話をして、
実は花嫁着付けを習われた上級者だったみたい。
私のコーデを見て『また着物を着たくなった』って言ってくれて、すごく嬉しかったわ。
年配者の着物に対する見方も時代とともに変わってきたのかしらね。
良かったわね。
そうね、私も意外だったけど、嬉しかったわ。
洋服だったら、声をかけられることはなかったでしょうね。
まきさん、そうね、着物だと褒めても大丈夫な雰囲気があるのよね。
私も素敵な着物の方を見かけたら、つい声をかけちゃうわ。
声をかけなくても、通り過ぎた後に必ず後ろ姿を振り返って見ちゃうのよ。着物好きの性かしら。
その、みんなに大丈夫って思われるコーディネートの仕方、私もを知りたいわ。
派手な帯、年配の私が試せるようなルールがあれば助かるんだけど。
ルールと言えるほどではないけど、派手な帯をお持ちの方に試しやすい6つのコツを解説するわね。
派手な帯の活かし方
6つのコツ
1. カジュアルシーンでカジュアル着物に合わせる
2. 着姿の色味を三色程度にまとめる
3. 和洋折衷コーデに挑戦する
4. 上物を羽織って帯の露出を抑える
5. 帯結びを銀座結びにしてボリュームを抑える
6. 年相応の帯締め・帯揚げを選ぶ
一つずつ解説しますね。
1. カジュアルシーンでカジュアル着物に合わせる
縞や無地感覚(デニム含む)の地味なカジュアル着物に合わる。
カジュアルシーンにあえて派手な帯を使うことで落ち着いた色目の着物に新鮮な印象をあたえる事ができる。
お召のメーカーさんのデニム着物「でにむどす」に合わせました。インディゴの色と帯の紺色がうまくなじんで派手さが抑えられています。。
この「でにむどす」は、以前に閉業してしまった祇園弓月店、で33,000円で衝動買いしたものです。
ただ、残念ながら購入したものの、襦袢を着ると裾さばきが悪く、1〜2回しか着ていませんでした。
そんな中、ある人の和洋折衷コーデがきっかけで、また着てみようと思いました。
その方は、若いミセスで、地味な江戸小紋に半幅帯、ブーツを履いて斜めがけバッグを持っていて、とてもかっこよく印象的でした。
その後、着崩しイベントに、早速私も和洋折衷コーデで参加しました。
デニム着物に刺繍のアンティーク帯を合わせ、長襦袢は省いて裾さばきもバッチリでした。
裾除けの代わりに、見えてもOKなユニクロのリラコとSOU・SOUのハイソックス、エナメルのハイカットブーツを合わせ人生初の和洋折衷コーデが完成しました。
地下鉄で声をかけてくださったご婦人が、『また着物を着てみよう』と仰ったように、着姿は周りに影響を与えるんですね。
私もデニム着物、着てみようかしら!?
年配の方でも、デニム着物は十分楽しめますよ。
いろいろな価格帯や素材がありますが、しっかりした縫製と素材のものを選んでくださいね。
実際に羽織って、顔映りやサイズが合うか確認するのが大切です。
ネットで購入する場合は、信頼できるサイトをおすすめします。
2. 着姿の色味を三色程度にまとめる
小物は地味な色を選び、着物の色に合わせて多色使いにしないことがポイントです。(色数は3色以内が理想です)
たとえば、ベージュの塩沢紬に茶色の無地羽織を羽織ると、見えるのは帯の一部だけで、かえって顔映りが華やかになります。
3. 和洋折衷コーデに挑戦する
派手な帯を和洋折衷コーデで着こなし、ラグラン袖のハーフコートと斜めがけバッグを合わせてUSJへで出かけました。
赤と黒のツートーンコーデで、派手な帯もしっくりまとまりました。この場合も、色は3色までに抑えるのがポイントです。
真冬のUSJへ出かけたのは、人生で二度目の和洋折衷コーデです。
着物は姉の嫁入り支度の大島紬で、色を二色にまとめて洋服感覚で着ました。
4. 上物を羽織って帯の露出を抑える
このレース地のコートは「ゑり善」で購入し、反物から仕立てたものです。
落ち着いた色合いで、礼装からカジュアルまで使える品質の良いものを1枚持っていると、長年使えてコストパフォーマンスが良いです。真冬意外使えます。
年相応の地味な紬にこのコートを羽織れば、派手な帯が隠れ道中も安心です。
この帯も姉の嫁入り支度のもので、かなり鮮やかですが、シックな無地紬に合わせてカジュアルに着こなました。
5. 帯結びを銀座結びにしてボリュームを抑える
結び方を工夫することで、派手な帯もお太鼓結びとは違った雰囲気になります。
地味(シック)な藍大島に、姉の派手な羽織からリメイクした紅型の名古屋帯を合わせています。
藍色の大島紬と帯のブルーでリンクさせ、地味めな黄土色をお太鼓に出すことで派手さを和らげています。
普通のお太鼓結びだと、仕上がりが大きく、帯のの派手さが際立ちますが、
小さく銀座結びにするとお太鼓の派手さを抑えることができます。
上に年相応なコートを羽織ることで、道中も安心です。
6. 年相応の帯締め・帯揚げを選ぶ
帯揚や帯締めは着物の藍色に近い色を選ぶと統一感が出て、派手さが抑えられます。
たとえば、茶色の紬にうぐいす色の帯揚げと赤茶の帯締めを合わせると、地味にまとまり、派手さを和らげることができます。
着物や小物によって全く異なる雰囲気になります。
意外にもデニム着物に相性抜群
そもそも、みつ子さんはデニム着物をなぜ買ったの?
着物で孫と焼き肉に行きたいなぁと思って買いました。
単純でしょ!
正絹の着物だと汚れたあとのお手入れに気を使うでしょ。
孫が汚れた手で触っても大丈夫なように購入しましたが、実現できず、タンスに眠らせていました。
それは残念ですが、今回のように役立って良かったですね。
デニム着物と派手な帯の魅力再発見です。その相性についてご紹介しますね。
今回合わせたデニム着物はインディゴの無地ですが、
柄入りや漂白、ダメージデニム着物でも、次の6つのコツは当てはまります。
デニム着物の場合も6つのコツが基本です
1. カジュアルシーンでカジュアル着物に合わせる
2. 着姿の色味を三色程度にまとめる
3. 和洋折衷コーデに挑戦する
4. 上物を羽織って帯の露出を抑える
5. 銀座結びでボリュームを抑える
6. 年相応の帯締め・帯揚げを選ぶ
派手な帯とデニム着物が相性抜群な理由
カジュアル感が出せる
デニム着物は、そのカジュアルな特性から、着姿に現代的な印象を与えます。
インディゴやチャコールなど落ち着いたデニムに派手な帯を合わせることで、ポップで洗練されたスタイルが楽しめます。
季節を問わない
デニム着物は単え仕立てで通気性が良いため、真夏以外の季節でも着用可能です。重ね着やインナーの調節によって、一年中着られ、袷や夏物、どんな派手な帯でも季節を問わずコーディネートできます。
浴衣としても着ることができ、派手な半幅帯も活用できます。
ファッション性
デニムの独特な質感や色合いが、モダンでスタイリッシュな印象を作り出します。
半幅帯、名古屋帯、洒落袋帯など、様々な派手な帯とも合わせやすいです。
また、洋服のバッグとも合わせられ、生地のスレを着にすることなく斜めがけできるため便利です。
明るい色のソックスやハイソックスも楽しめ、リュックサックも帯をコンパクトに結ぶことで使うことができます。
汎用性
デニム着物はカジュアルなパーティーやランチ、ショッピング、ライブ、旅行など、さまざまなシーンで活躍します。
派手な帯をコーディネートのアクセントとして使うことで、洋服の場に自然に溶け込むことができます。
以上の観点から相性抜群と言えます。
まとめ
カジュアル着物(デニム着物含む)に派手な帯を合わせる
派手な帯を活かす6つのコツ
①カジュアルシーンにカジュアル着物に合わせ締める
カジュアルシーンに色目を押さえた小紋や紬、綿着物(デニム着物含む)に合わせるのがコツ
②着姿全体の色味を三色程度にまとめる
紬などシンプルな着物と合せ、
小物を地味にするか着物の色に近い色を選び統一感を出すとよい。
同系色の無地羽織を羽織るのもおすすめです。
③和洋折衷コーデにする
自分だけの独特なスタイルを作り出し、派手な帯を差し色として使います。
着物のインナーにブラウスやタートルネックを着てスニーカーやブーツを合せるのも良いアイデアです。
④上物を羽織って露出を少なくする
外出時は、夏でも塵除けという羽織やコートを着る習わしで、派手な帯を隠す事ができます。
上物もなるべく無地感覚のシンプルなものを選ぶことで、年令にあったスタイルになります。
コートや羽織は春夏秋に使えるシンプルなレース羽織 、幅広く年齢をカバーできる無地感覚のものがお勧めです。
お召の薄羽織です。4月から10月末まで着用できる便利アイテムです。
⑤銀座結びなどでお太鼓を小さくする
お太鼓を銀座結びにすることで、帯のボリューウムが抑えられ、派手さが軽減されます。
⑥年相応の帯締め帯揚をあわせる
帯締めと帯揚は年相応の物を使うと帯の派手さが抑えられる。
かけ離れた色目でなく着物や帯の一色を取り入れる。
レースの帯揚げが目新しいわね。落ち着いた色目と帯留めのターコイズブルーが私たち世代のデニム着物に相性良さそう〜。
以上6つのコツをお伝えしました。
これが正解!というのはないですが、試してみることが成功への道です。
ある程度の年令になると明るい色で気分を盛り上げることもお勧めです。
お手入れも着るのも楽なデニム着物を取り入れ洋服感覚の新コーディネートを楽しみましょう。
着物も洋服と同じようにコーディネートをしていいのね。
色々コーディネートして写真を撮るのも楽しそう。
派手な帯を試す時の注意点は有るのかしら?
まず、活かしたい派手な帯を決めそれを活かすワンセットから初めてください。
ワンセット作って着て試してから次の帯に進んでください。
気持ちがあっても工夫を考える手間や時間はかかります。
私も派手な帯コーデは数回試しただけです。
年齢とともに似合うものも変化します。
試して良くなかったものは、潔く処分することも大事な結論です。
注意点とメリット・デメリット
メリット
- 6つのコツで派手な帯が活用できる
- カジュアルシーンの新たな着方が発見できる
- 着物のお出かけが楽になる(靴や帽子も合わせやすい)
デメリット
- コーディネートに時間がかかる
- 正式の場や儀式には不適切な場合がある
- 実際に試すのに勇気がいる
- 着物を短く着る練習が必要
デメリットの解消法
- コーディネートは楽しみながら、断捨離もすすめられる。
- カジュアルシーン限定と決めるのも一つの手。
- 冬場にはタートルネックをインナーに着て、コートや羽織、ブーツを履くと着物に見えにくいので試しやすい。
- 腰紐を高めに締めておはしょりを調整し、メッシュのワンタッチ腰紐を使うと素早く締まられます。
腰高に締めても伸び縮みするのでウエスト部分が楽です。一年中この夏用一本で大丈夫です。
最後に
派手な帯を使う際には、まず活かしたい帯を決め、その帯に合ったコーディネートを試してみてください。年齢と共にスタイルも変化します。自分に合ったスタイルを見つけることが大切です。
一度、試しに来て出かけると派手な帯を断舎離するのが良いのか判断できます。思い切ることも大切です。
このアプローチでデニム着物を楽しむことで、洋服感覚の新しいコーディネートが生まれます。
色々なコーディネートを試して写真を撮るのも楽しいでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。この記事が参考になれば嬉しいです。
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