
最近、着物を着て楽しまれている友人から、「羽織はどのようなのを作れば、使い勝手が良いのでしょうか?」と聞かれました。
羽織はジャケットのような物なので正式なシーンの色無地や訪問着の上には着られません。



私も羽織についてよくわからないわ。普段着の上しか使えないのですね。



パーティードレスにジャケットを羽織らないのと同じような感覚です。
そう考えるとわかりやすいと思います。ただし、黒絵羽織など例外もあります。
この記事は歳を重ねても着物を楽しむために
・自分に合った羽織を無駄なく誂えたい方
・長く楽しめる羽織を誂えたい方
にお読みいただきたいです。
70歳代の女性が羽織を誂える際には、以下の点に注意すると素敵に仕上がります。
用途を決める
1. 着用シーンを考える
・普段着として気軽に羽織るのか、お出かけ用として上品に仕立てるのかを明確にする。
・普段のお出かけには化繊の気軽なものを、改まった場では上質なものを選ぶ。
2. 色・柄の選び方
・顔映りが良く、肌になじむ色合いを選ぶ。
グレー、淡いグリーン、くすみカラー(カーキやブラウンなど)が上品でおすすめ。
・柄は細かいものや縦の流れがあるものだとすっきり見える。
小さな柄やシンプルなデザインが年代に合った上品さを引き立てます。
・無地感覚のシンプルなものは長く愛用できる。
羽織は防寒や着物の保護にも役立つため、実用性を考慮して選びます。
3. 生地選びのポイント
・重すぎないもの
紬なら軽めのもの、絹ならしなやかで動きやすいもの
・透け感がある紗や絽の羽織も涼しげでおしゃれ
春夏用におすすめ
4. 羽織の長さとバランス
・お尻が隠れるくらいの長さ(やや短め)だと軽快で動きやすいが今から誂える場合はおすすめしない。
・長め(膝丈近く)の羽織もエレガントで着映えするが、動きやすさとのバランスを考慮すること。
あまり長い丈は扱いづらくなるのでおすすめしない。
・背が低めの方は短め、すらりとした方は少し長めでも素敵
羽織の丈は流行り廃りがあるので標準的なものを作っておくことをおすすめします。
5. 仕立て方の工夫
・羽織紐を共布でつけるかどうか
最近は乳(ち)だけ付けてあとから好みの羽織紐を付け替えて楽しむスタイルが多い。
・袖丈は、ご自身の着物の袖丈に合わせると、全体のバランスが良くなり、統一感が生まれます。
通常、羽織を仕立てる際は、着物の袖丈に合わせて仕立てることが一般的です。
・動きやすさを考えて、あまり重たくならないように仕立てる(最近は温暖化の影響もあり単衣羽織が便利です)


年齢にとらわれず好きなものを
最終的には
・「70歳だからこうでなければ」と決めすぎず、自分がときめく一枚を選んでください。
・長く愛用できるように、自分に似合うものを大切に使ってください。
用途や季節に合わせて使えるよう、汎用性の高い上質な羽織を、袷用と夏物用でそれぞれ1枚ずつ仕立てると、長く楽しむことができます。素材の良さは、年齢を重ねた上品さや、魅力を引き立てる助けになります。
特に、お手持ちの着物との相性や、ライフスタイルに合ったデザインを選ぶと、より楽しめますね。
素敵な羽織が仕立て上がりますように。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が参考になれば嬉しいです。
着付け教室を開催しています。お気軽にお問い合わせください。
コメント