こんにちは、着付け講師30数年のみつ子です。自宅改装時に泣く泣く手放した派手な着物や羽織、二束三文でした。
もっと早くリメイクを考え付いていれば…と後悔しています。
私は洋裁が苦手なのですが、思い切って一着作ってみたところ、とても着心地が良く、それからリメイクに夢中になりました。その体験を記事にまとめたので、ぜひご覧いただけると嬉しいです。

着物もそうだけど、長襦袢もいつの間にか増えているのよね~!
年齢的にもそろそろ整理したいけど、襦袢の買取あるのかしら?
とよくお尋ねがあります。



私が依頼したときは、「バイセル」や「福ちゃん」は襦袢の買い取りはしてもらえませんでした。
宅配買取サービスは便利ですが、価格に納得できない場合は「全品返却(送料は依頼者負担)」となることがあります。一部だけ売ることはできないため、提示価格でまとめて売るか返品するかの二択になることが多いです。少しもったいなく感じるかもしれませんが、最終的には本人の判断次第です。


結論
着物類は手放す前にリメイクを考えてください。
売るべきか、リメイクすべきかの判断基準
リメイクも手間や費用がかかります。以下の判断基準を参考にしてください。
- 高価な反物や未使用で市場価値がある → 売る検討。
- 汚れ・縮み・サイズが合わないなどで値が付きにくい → リメイク向き。
- 宅配買取の注意点:価格に納得できないと「全品返却(送料は依頼者負担)」になる場合あり。一部のみ引き取れない業者もあるので詳細を要確認。
洋裁が苦手でも大丈夫!始め方のコツ
- 図書館で本を借りる:著者では松下純子さん、高橋恵美子さんなど、型紙要らずや手縫い向けの良書がおすすめ。
- まずは小さな一品から:羽織の袖や襦袢の袖だけで作るインナーなど、失敗リスクの低いものを選ぶ。
- 手縫いでOK:ミシンがなくても作れる本が多数あります。手縫いの時間を楽しんでみてください。
- 教室を利用する:一日講習やリメイク教室で型紙作りや縫い方を教わると早いです。
シルクの着心地・光沢は洋服にしても魅力的で、洋裁が得意でなくても「型紙要らず」や手縫いで簡単に作れるものが多く、着る機会がぐっと増えます。
迷ったらまずは一つ、簡単なリメイクに挑戦してみてください。目標(例:GWの外出で着る)を決めると完成しやすいです。
かんたんリメイクの実例
リメイクに興味がない方も、買取に出す前にぜひ一度ご覧ください。
1. 夏着物 → チュニック(ほどかず・手縫い3日)
実際、私は妹の派手な夏着物をほとんどほどかずに、手縫いで3日で仕上げました。
リメイク本を図書館で借り、簡単に作れそうで、着心地が良いデザインを選びました。
ゴールデンウィークに孫とディズニーへ行く時に着ることを目標にしていたので、洋裁が苦手な私でも完成させることができました。


リメイクの手順はざっくりですが
- 着物の衿、掛け衿、衽をはずし、肩から着丈を決め、裁つ。袖と襟ぐりを型紙通りに裁ち、前中心を縫う。
- 残布からバイヤス布を取り、襟ぐりをバイヤス布でくるむ。
- 袖下から脇を続けて縫う。
- 袖口をまつり、裾を三つ折りして縫う。
縫うところも少なく、襟ぐりと袖以外の型紙も不要す。
出来上がりサイズはフリーサイズで好みの長さのチュニックにできます。
インナーとして着ると派手に見える色でも、差し色として取り入れ夕方からのお出かけに着ていきました。





和の雰囲気がおしゃれね!前中心と脇を利用するので手軽にリメイクできそう。



シニアにはむしろ、派手な物のほうが顔映りが明るくなって、意外といいかもしれないわね。



買い取りに出しても、値がつかずにがっかりするくらいなら、リメイクに挑戦してみても良いかもしれないわ。



何枚もリメイクするのはあまりおすすめできません。せっかく作っても着なければ、形を変えただけで持ち続けることになってしまうからです。
自分の目的に合わせて進めてください。今回のように具体的な目標があると、挑戦しやすくなりますよ。
2.羽織の袖2枚 → フレンチスリーブのインナー
羽織の両袖2枚を外しつなぎ合わせただけのリメイクです。
衿ぐりは前18cm後ろ17cm、袖口25cmを開けて、身頃中央と脇を縫い裾を三つ折りで縫うだけで完成です。
型紙も、説明書もいりません。


お好みで頭からかぶって着られるだけ前と後ろに空きを作り中央と脇を縫い合わせるだけです。
袖口も自分のサイズに合わせてあきをつくってください。




私が初めて図書館で借り、最終的には購入した本です。
3.縮んだ長襦袢 → チュニック
知人から「襦袢を洗っても縮まなかった」と聞き、思い切って何枚か洗ってみました。すると、全く縮まないものもあれば、縦方向だけ縮むものもありました。縮んだものは元に戻らないので要注意。洗うなら自己責任です。
私の襦袢も袖丈が縮み、直そうとしても長さが足りず、大好きな色なのでリメイクに挑戦することにしました。
いい感じにリメイクでき胸をなでおろしました。襦袢生地は案外しっかりしていてシルクのブラウスとして着心地抜群です。






リメイク前に!着物の簡単仕分けと収納方法
着物のリメイクを考える前に、まずは手元の着物を「ここに入れるだけ」と決めた収納場所にまとめて仕分けましょう。使用しなくなった着物を一箇所に集め、その中からリメイクするか処分するかをじっくり見極めることが大切です。
和ダンスを処分しても安心な、クローゼットのハンガー下に収まるコンパクトな収納ケースが便利です。
移動もしやすくかさばらないため、洋間でも違和感なく使えて収納効率が良くなります。
こんなに便利でコンパクトなら移動に大変な重い和ダンスはいりませんね。
リメイクお勧めの理由
リメイクをおすすめする理由は、何と言ってもシルクの着心地が抜群なことです。一度水洗いすれば手洗いも可能で、ドライクリーニングも不要。自分用なら仕上がりが多少雑でも気になりません。
反物の耳を使えばほつれ止めも不要で、ロックミシンがなくてもジグザグミシンや袋縫いで十分対応できます。着物を眠らせておくより、リメイクすれば着る機会も増えます。
私は結城紬から単衣のカーディガンコートを作り、一度着てみてからポケットも追加しました。自分で作ると自由にアレンジできて便利です。準備は、着物をほどいて反物状にし、重曹で洗い、生乾きでアイロンをかければOKです。


これはリメイク教室を再受講し、希望のデザインから型紙をおこして完成させました。
着物では着ないけど大好きな色の結城紬が蘇り、軽くて肌触りが良く大満足です。
型紙を作る必要があるデザインのリメイクなので簡単ではありませんでしたが、型紙通りに縫えば完成しました。


リメイクの準備
①襦袢をほどく、反物にして手洗い洗剤で手洗いする
重曹と液体せっけんをそれぞれ大匙一杯を30度くらいのぬるま湯たらいいっぱいに溶かしたもので洗うと環境にいいそうです。
②しずくが落ちない程度に脱水し、アイロンで乾かす
ラップの芯などに巻いておけばしわになりません
③自分の好きなデザインの型紙を探し作る(型紙要らずの物もあります!)
難解なものは避けて簡単なものから好きなデザインを選び、型紙なしから始めるといい
今回はミシンで縫いましたが、手縫いの本も沢山出てるのでミシンがなくても大丈夫!
洋裁が苦手な方へ
洋裁が苦手な方へのおすすめ本の選び方
1. 着物リメイク本はたくさんあります。まずは図書館でいくつか借りて、作りたいものや好みのデザインが載っている本を選びましょう。
2. 襦袢地なら、薄い生地に合うデザインで、必ず着るもの、そして簡単なものから挑戦してみてください。
3. 手縫いで作れる本もあるので、ミシンがなくても大丈夫です。
4. ミシンを使ったり手縫いにしたり、裁縫の基礎の本もあります。自分のスキルに合わせて進めてください。
型紙要らず、ひたすら縫うだけ
- 反物の耳を利用する場合はほつれ止め処理が不要なので簡単です。
- 襦袢の袖だけでも簡単に上記のインナーならできます
- 見頃までほどかずスモールスタートで試せます。
簡単なものから一つでもいいから仕上げると自信がつく
- 大物から挑戦せず、簡単なものから手掛け、実際に着てみる
- 切らずに型紙要らずの物でも薄物だとドレープなどで縫い目がごまかしやすいし体型かばーにもなる
- インナーなど全部見えないようなコーディネートで試しに着てみて友人や家族の反応を見る
どうしても自分でリメイクできない場合の対処法
リメイク教室に通う方法があります。
京都のリビングカルチャーセンターのオリジナル洋裁講座に通いました。人気教室で希望曜日を変更して申し込んだくらいです。
自己流ではじめましたが、段々とリメイク熱が高まり、作務衣の一日講習を新聞広告で目にし、受講しました。
約2時間で出来上がり、リメイク教室の体験ができました。
姉の残した未使用のウールの着物を作務衣上着とワイドパンツにリメイクしました。


上下合わせて着るとちょっと和風過ぎて外出には向かないのでセーターと組み合わせてランチに出かけました。


パンツだけだとそれほど、和風な感じがしません。


ウールは暖かく家で洗えるので経済的です。今は日が合わずお休みしていますが
ロングカーディガンのように、最初に受講してから何年か経て再度リメイク教室に通い縫ったものもあります。
まとめ:着物生地はリメイクに最適!
フリーサイズの大人服



おしゃれで手ごろな価格の服が中々見つからない経験ありませんか?
私は、お出かけにリメイク服を利用するようになって既製品のお出かけ服を買わなくなりました。家でお手入れできるので経済的です。
着物を仕事着にしているのでほとんどのお出かけは着物ですが、洋服の方がいい時は昔買ったコムデギャルソンブランドやお手頃なファストファッションの物(主にユニクロ)にシルクのインナーなどを組み合わせています。
コムデギャルソンのブルゾンとパンツにリメイクしたインナーで夕方からの集まりに出かけました。
リメイクしたブラウスやパンツはほとんどフリーサイズなので、インナーにもアウターにも使え、幅広いサイズに対応できます。


上質な大人服
派手な着物でも、インナーに使えば華やかさのアクセントとなり、気になりません。むしろ上質な生地が顔まわりを明るく引き立ててくれます。
着物生地で作る大人服の魅力
- シルクの光沢が高級感を演出
- 染めや小紋柄の美しさを日常に楽しめる(襦袢では隠れていた部分も活かせる)
- 一度洗ってあるので家庭でお手入れ可能で経済的
- 肌触りが良く、体にも優しい
- 適度な張りやドレープで体型カバーができ、大人に嬉しい
松下純子さんの本はとってもおしゃれで面倒な手間がかかることがなく、洋服作りが初めてという方にも安心してトライでき見ているだけでもワクワクします。
リメイクはお金もお得、気持ちもスッキリ
洋服を新たに購入するよりあるものをうまく活かして、お金もお得、気持ちもスッキリします。
- 着物つながりの方からの頂き物だったり、目新しいものを買ったりで増えてしまった長襦袢が役立つ
- 洗える正絹襦袢とお気に入り何枚かとポリ襦袢でお手入れ代や手間が減らせ気持ちも場所もスッキリする。
- 着る機会を失ってしまった襦袢をいかすことができ、もったいない気持ちが救われる。
- 生地代0円で替えボタンなどあるものを利用したり工夫次第でわずかな材料費で済む。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
着付け教室も開校しています。着付けや着物リメイクのお手伝いも致しますのでお問い合わせなどお待ちしております。


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