「この着物、派手すぎてもう着られない…でも捨てるのはもったいない」
そう感じているタンスの着物はありませんか?私も同じ想いから、洋裁が苦手にもかかわらず思い切って一着作ってみたところ、とても着心地が良く、それからリメイクに夢中になりました。
この記事では、手縫い3日でチュニックに生まれ変わった実例など、着付け講師みつ子が実際に作ったリメイク作品を3つご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください。
かんたんリメイクの実例
1.夏着物 → チュニック(ほどかず・手縫い3日)
実際、私は妹の派手な夏着物をほとんどほどかずに、手縫いで3日で仕上げました。
リメイク本を図書館で借り、簡単に作れそうで、着心地が良いデザインを選びました。
ゴールデンウィークに孫とディズニーへ行く時に着ることを目標にしていたので、洋裁が苦手な私でも完成させることができました。
【妹の未着用の夏の小紋からリメイクしたチュニック】

【リメイクの手順】
- 着物の衿、掛け衿、衽をはずし、肩から着丈を決め、裁つ。
- 袖と襟ぐりを型紙通りに裁ち、前中心を縫う。
- 残布からバイヤス布を取り、襟ぐりをバイヤス布でくるむ。
- 袖下から脇を続けて縫う。
- 袖口をまつり、裾を三つ折りして縫う。
縫うところも少なく、襟ぐりと袖以外の型紙も不要です。出来上がりサイズはフリーサイズで好みの長さのチュニックにできます。

実は、衿を外してみて驚いたことがあります。表からは全く分からなかったのに、衿の中の芯地にひどい染みが広がっていたのです。まさかこんなことになっているとは思いませんでした。染みが表に響く前にリメイクできて、胸を撫で下ろしました。

タンスの中の着物も、見えないところで傷みが進んでいるかもしれません。
このチュニックは、こちらの本に載っているデザインから作りました。
「手ぬいでかんたん、ほどかずできる きものリメイク」高橋恵美子著
インナーとして着ると派手に見える色でも、差し色として取り入れ夕方からのお出かけに着ていきました。

このチュニックは今もお出かけで活躍しています。2026年7月、新幹線でブログ勉強会へ行く道中に立ち寄った神社で撮ってもらった一枚です。


生徒 まき和の雰囲気がおしゃれね!前中心と脇を利用するので手軽にリメイクできそう。



シニアにはむしろ、派手な物のほうが顔映りが明るくなって、意外といいかもしれないわね。



買い取りに出しても、値がつかずにがっかりするくらいなら、リメイクに挑戦してみても良いかもしれないわ。
2.羽織の袖2枚 → フレンチスリーブのインナー
羽織の両袖2枚を外しつなぎ合わせただけのリメイクです。
衿ぐりは前18cm後ろ17cm、袖口25cmを開けて、身頃中央と脇を縫い裾を三つ折りで縫うだけで完成です。型紙も、説明書もいりません。
反物幅なので中央と脇を縫い裾を三つ折りにして縫うだけです!


お好みで頭からかぶって着られるだけ前と後ろに空きを作り中央と脇を縫い合わせるだけです。袖口も自分のサイズに合わせてあきをつくってください。
リメイク前の姉の羽織です。一回くらい着ないともったいないと、着物好きの友人との新年会に着ていきました。皆さん褒めてくださいましたが、実は道中はコートで隠したほど。着物好きでない人の目には、やはり派手だろうなと、リメイクに踏み切りました。


リメイク後のフレンチスリーブのインナー。インナーとして取り入れると、さりげないポイントになってコーディネートがぐっとおしゃれに見えます。
絞りならではのやわらかな着心地も、一度体験するとやみつきになりますよ。


上のフレンチスリーブのインナーも、この本に載っているデザインから作りました。私が初めて図書館で借り、最終的には購入した本です。ほどき方やリメイクを始める前の手順が詳しく載っていて、初心者にも優しい縫い代の始末がない作品がありがたいです。
「まっすぐ手ぬいでかんたんきものリメイク」高橋恵美子著
3.縮んだ長襦袢 → チュニック
知人から「襦袢を洗っても縮まなかった」と聞き、思い切って何枚か洗ってみました。すると、全く縮まないものもあれば、縦方向だけ縮むものもありました。縮んだものは元に戻らないので要注意。洗うなら自己判断でお願いします。
襦袢も袖丈が縮み、直そうとしても長さが足りず、大好きな色なのでリメイクに挑戦することにしました。
いい感じにリメイクでき胸をなでおろしました。襦袢生地は案外しっかりしていてシルクのブラウスとして着心地抜群です。






実際はこのリメイク本からヒントを得て作りました。松下純子さんのリメイクは反物のはばを活かして作るので型紙なしがとても助かりました。
型紙いらずの着物リメイク チュニック&ワンピース: ほどく→折る→縫う=簡単リメイク!松下純子著




リメイクをおすすめする理由
リメイクをおすすめする理由は、何と言ってもシルクの着心地が抜群なことです。一度水洗いすれば手洗いも可能で、ドライクリーニングも不要。自分用なら仕上がりが多少雑でも気になりません。
- 布端の始末が楽。反物の耳を使えばほつれ止め不要。(必要なところもジグザグミシンや袋縫いでロックミシンいらず)
- 着物より手軽で着る機会が増える
- シルクの光沢が高級感を演出
- 染めや小紋柄の美しさを日常に楽しめる(襦袢で隠れていた美しさも活かせる)
- 適度な張りやドレープで体型カバーができ、大人に嬉しい
- まずは図書館で何冊か借りて、好みのデザインが載っている本を選ぶ
- 作るのは必ず着るもの。簡単なものから挑戦する(襦袢地なら薄い生地に合うデザインを)
- 手縫いで作れる本もあるので、ミシンがなくても大丈夫
- 洋裁が初めての方は、裁縫の基礎の本から。自分のスキルに合わせて進められる
- まずは小さな一品から。羽織の袖や襦袢の袖で作るインナーなど、失敗リスクの低いものを選ぶ
- 型紙いらず・切らずに縫うだけのものなら失敗しにくい
- できあがったらインナーとして試し着し、友人や家族の反応を見てみる
- 「◯◯に着ていく」と目標を決めると完成しやすい。一つ仕上げると自信がつく
- 高価な反物や未使用で市場価値がある → 売ることを検討
- 汚れ・縮みなどで値が付きにくい → リメイク向き
- 家でお手入れできて経済的。生地代は0円、ボタンなど手持ちを使えばわずかな材料費で済む
- ほとんどフリーサイズで、インナーにもアウターにも使える
- 派手な着物もインナーに使えば華やかさのアクセントに。上質な生地が顔まわりを明るく引き立てる
- 着る機会を失った着物・襦袢・羽織が生き、もったいない気持ちが救われる
- 手持ちの襦袢を厳選できて、お手入れの手間も収納もスッキリ
といいことづくめです。
リメイクの準備
まず、その着物がリメイクに向く生地かどうかを確かめます。袖を片方だけほどいてサイズを測り、洗って乾かしてみてください。5cm以上縮む生地は、リメイクには向きません。この確認をしてから、全体をほどきましょう。
①着物・襦袢をほどく、反物にして手洗いする
重曹か手洗い洗剤大匙一杯を30度くらいのぬるま湯(洗面所かたらい)に溶かしたもので洗う。
私は着ていない着物は汚れが無いので水だけで洗います。汚れが気になるものは、手洗い用洗剤で洗ってください。
②しずくが落ちない程度に脱水し、すぐにアイロンで乾かす。綺麗になったらラップの芯などに巻いておけばおりじわがつきません。
③自分の好きなデザインの型紙を探し作る(型紙要らずの物もあります!)難解なものは避けて簡単なものから。
洋裁が苦手でも大丈夫!本の選び方と始め方
着物リメイク本はたくさんあります。著者では松下純子さん、高橋恵美子さんなど、型紙要らずや手縫い向けの良書がおすすめです。
本を選ぶポイント
始め方のコツ
もう1冊、ベストやジャケットなど羽織りものを作りたい方には松下純子さんのこちらもおすすめです。着物にほとんどはさみを入れず、型紙いらず・直線縫いで作れる作品が揃っていて、洋服作りが初めての方でも安心です。
自分でリメイクが難しい場合はリメイク教室へ
リメイク教室に通う方法があります。
自己流ではじめましたが、段々とリメイク熱が高まり、作務衣の一日講習がきっかけで、京都のリビングカルチャーセンターのオリジナル洋裁講座に通いました。人気教室で希望曜日を変更して申し込んだくらいです。
姉の残した未使用のウールの着物を作務衣上着とワイドパンツにリメイクしました。約2時間で出来上がり、リメイク教室の初体験ができました。
【姉のウール着物からリメイクした作務衣、パンツはワイドパンツ】


上下合わせて着るとちょっと和風過ぎて外出には向かないのでセーターと組み合わせてランチに出かけました。パンツだけだとそれほど、和風な感じがしません。
ウールは暖かく家で洗えるので経済的です。今は曜日が合わずお休みしていますが、
【ロングカーディガンに蘇った結城紬】


私は結城紬から単衣のカーディガンコートを作り、一度着てみてからポケットも追加しました。自分で作ると自由にアレンジできて便利です。
これはリメイク教室を再受講し、希望のデザインから型紙をおこして完成させました。着物では着ないけど大好きな色の結城紬が蘇り、軽くて肌触りが良く大満足です。
型紙を作る必要があるデザインのリメイクなので簡単ではありませんでしたが、型紙通りに縫えば完成しました。
リメイク教室はネットで探し、自分に合ったところを受講してください。
着物を売るか・リメイクするかの判断基準
襦袢の買取はしてもらえる?



着物もそうだけど、長襦袢もいつの間にか増えているのよね~!年齢的にもそろそろ整理したいけど、襦袢の買取あるのかしら?
とよくお尋ねがあります。



私が実際にバイセルや福ちゃんに査定をお願いしたときは、襦袢は値が付かず引き取ってもらえませんでした。襦袢を買い取ってもらえるかどうかは業者や品物の状態によって違うようなので、申し込み前に各社へはっきり確認することをおすすめします。
宅配買取は手軽な反面、注意点もあります。査定額に納得できない場合、全品まとめて返送されます。そのときの送料は自己負担。しかも「この着物だけ売りたい」という一部売りができないため、提示額で全部まとめて売るか、全部返してもらうかの二択になることが多いです。
判断の目安
迷ったら、まずは使っていない着物を一か所にまとめてみてください。全体を見渡すと、売るか・リメイクするかの見極めがしやすくなります。
まとめ:着物生地はリメイクに最適!
派手すぎて着られない着物も、縮んだ長襦袢も、工夫次第で日常の一枚に生まれ変わります。私はお出かけにリメイク服を使うようになって、既製品のお出かけ服を買わなくなりました。
まずは一つ、簡単なリメイクに挑戦してみてください。
最後までお読みいただき有難うございます。この記事が参考になれば嬉しいです。
着付け教室も開校しています。着付けや着物リメイクのお手伝いも致しますのでお問い合わせなどお待ちしております。


「衿元がうまく決まらない」「帯結びが苦手」——記事だけでは難しいところは、直接お教えできます。京都で着付け教室を開いています(講師:日本着装協会認定講師 みつ子)。
初心者向けの基礎科(全8回)、苦手克服のフリーコース、タンスの着物をまるごと相談できる箪笥診断、夏季限定のワンコイン浴衣レッスンもあります。










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