
生徒さんの評判が良くて、ポリエステル素材の長襦袢「き楽っく」が気になっていました。衿、袖と裾よけの素材が化繊という点がネックで購入を長年悩んでいました。
「き楽っく極(きわみ)」はその部分が正絹(シルク)になりすぐに試してみたくなり購入しました。
着物歴30数年の私が「き楽っく極」をイベントに5日間着続けて、使い心地をじっくり確かめてみました。
その後も数年にわたり愛用してきたので、実際の性能と快適さを従来の長襦袢と比べた結果をお伝えします。
「き楽っく極(きわみ)」は、京都の和装小物メーカー「衿秀(えりひで)」が展開する長襦袢シリーズ「き楽っく」の最上位モデルです。従来の便利さに加え、上質な素材と快適な着心地を追求した一着となっています。
こんな方におすすめ
- お値段が高めで「き楽っく極」の購入を迷っている方
- 化繊の長襦袢が苦手な方
- 裄の違う着物を気軽に一年中着回したい方
- 正絹の襦袢を洗濯機で手軽に洗いたい方
- 襟元や浴衣のおしゃれを気軽に楽しみたい方(※袖なし・衿なしスタイルにも対応)
「き楽っく 極(きわみ)」とは
「き楽っく極」は、衿秀が開発した高品質な長襦袢で、以下の特徴があります。
素材と特徴
• 半衿、袖、裾除けに正絹(シルク)を使用
• 身頃にはスーピマコットンを採用
• 唐草地紋の絹生地で上品な外観
機能性
• ファスナー式の半衿で簡単に付け替え可能
• 洗濯機で丸洗いできるウォッシャブル加工
• 替え袖や替え衿で多様なスタイルを演出
利点
• 着心地が良く、軽くて裾捌きが良く動きやすい
• カジュアル(浴衣、小紋、紬)からフォーマル(留袖、訪問着、色無地)まで対応
• 汗取りパッドや衣紋抜きなど自然にきれいな着付けになる便利で機能的な設計


素材の大まかな違い
• 「き楽っく極」:袖と裾が正絹(シルク)素材
• 「き楽っく」:袖と裾がポリエステル素材
おすすめ理由
着物中級者の友人に勧め、「襟元がきれいに決まる」と好評だった「き楽っく極」は、伝統的な着物の着付けを現代的に簡便にした革新的な長襦袢です。
従来の長襦袢にないメリット
1. 初心者でも短時間で着付けが楽にきれいに決まるように襟の形に工夫がされている。
2. 洗濯機で丸洗い可能で、維持費用面でも大幅に削減でき日常使いに適していてできる。
3.スーピマコットンと正絹を組み合わせた素材で、軽く快適な着心地を実現している。
4.ファスナー式半衿で、縫い付ける必要がなく、誰でも素早く半衿を変えられる。
5.替え袖や衿を付け替えるだけで裄の調整ができ、浴衣からフォーマルにも対応可能。



「き楽っく極」は正絹になったことで迷わず購入を決めましたが、実際に着てみると、期待以上に多くのメリットがありました。
私が感動した「き楽っく極」の魅力
1. 着心地の良さ
• 想像以上に軽く、裾のまとわりつきが無く、長時間の歩行がスムーズ
• 従来の長襦袢に比べ通気性が良好
• スピーマコットンの身頃で、衿元がツルツル滑りにくく綺麗
2. 機能面の高さ
• ファスナー式の半衿、替え袖の交換、着脱が非常に簡単
• 季節を問わず着用可能で、透け防止の余分な裾除けがいらないのは歳を重ね暑い夏に大助かり
• 衿を外して半衿を平にして柄位置を見ながら簡単に両面テープで貼れる
3. 素材の高印象
• ワンランク上のスピーマコットンの肌触りが柔らかい
• シルクの袖と裾は水洗可能なのに上質
• 夏場なら夜洗い、朝着用可能で洗濯後もシルエットが崩れにくくアイロン不要でも着られる
4. 美的な特徴
• 唐草模様がエレガントで普段着からフォーマルまで十分オシャレ度をアップ
• 白絹の半衿が顔色を優しい印象にしバイヤス仕立てで衿合わせもゆったりと美しく決まる
• 仕立てのかさばりがなくスタイルをスッキリ見せてくれるシルエット
• 付属の胸紐と衣紋抜きで長時間の着崩れを防いでくれる
総合的な感想
実際に着用することで、製品の機能性と快適さに加え、自分で洗えるコストパフォーマンの良さを多いに実感できました。
以下に私の使用感と同様なことが書いてあります。
『茶道の先生や、名店の女将たち。長時間、きれいに着物を着る方々の引き出しを拝見すると、かなりの確率で登場するのが「衿秀」のき楽っくプレタ長じゅばんだ。この春、その究極版、Silkき楽っくプレタ長じゅばん「極」が登場した。
「極」が大切にしたのは、上質な素材。裾部分と袖には唐草地紋がエレガントな正絹を採用。袖を通すと絹が優しく肌に触れ、気分が上がる。正絹の半衿とともにさりげない絹色で、カジュアルな紬(つむぎ)から、付け下げや訪問着などフォーマルまでカバーする。身頃はしなやかなスーピマコットン。胸元や脇、背中の汗を吸い、着物を汚れから守ってくれる。
袖や裾、半衿はウォッシャブル加工がほどこされており、家でまるごと洗濯可能。ワンタッチで付け替えできるファスナー仕様の替え衿や、着脱テープで取り替えられる替え袖など、機能性の高さも頼もしい。
肌に近いものだからこそ。着心地のよさと使い勝手のよさを備えた、”才色兼備”な一枚を選びたい。』
※こまものや七緒から引用しました。
着物をあまり頻繁に着ない方にもおすすめ
着物をあまり頻繁に着ない方にも、「き楽っく襦袢」は便利なお助けアイテムとしておすすめです。
襦袢をたまにしか着ない場合、その都度クリーニングに出すのは手間も費用もかかりますよね。
さらに、そのまま片付けると、知らない間に汚れが染み付いて中々落ちないこともあります。
「き楽っく襦袢」は、こうしたお手入れの負担を大幅に軽減してくれるアイテムです。
また、体型の変化で以前作った襦袢が体に合わず、着付けがうまくいかないこともあります。
特に身幅が変わりやすく、その点、「き楽っく極」は初心者にも着付けやすい工夫が身頃部分に施されており、簡単にきれいに着ることができます。
どうしても、たまに着る着物用に新しい襦袢を誂える必要がある方は、「き楽っく襦袢」をおすすめします。
「き楽っく襦袢」を取り入れることで、初心者にも着付けやすく、お手入れの手間も費用も抑えることが可能です。
この理由から着物を着る機会が少ない方にこそ、気軽に着物の楽しみを味わえるアイテムとして、ぜひお試しいただけたらと思います。



洗える正絹の長襦袢も誂えたと聞きましたが、それでも「き楽っく極」を購入したんですね。



「き楽っく極」に出会う前に誂えた、待望の自宅で洗える正絹の長襦袢は以下の記事で紹介しています。
もう少し、早く出会っていれば費用が浮きましたが、こちらは薄紫色なので色が被らずに救われました。





それ以上に「き楽っく極」のメリットがあるということなんですね。



洗える正絹替え衿が一番の購入のポイントです。
長年来ている私でさえ半衿付けは手間です。衿あわせも簡単且つ綺麗に決まり、忙しい朝、着付け時間が短縮できます。
着用かさねてわかったこと
お手入れ面
① 毎日ではありませんでしたが、夜洗い、朝にすぐ着用できるのが便利でした。
② 洗濯後に少しシワが気になるものの、着ているうちにシワが自然に伸びて問題なしでした。
③ 半衿は毎日洗わずとも汚れが気になりませんでした。首と衿が擦れにくい工夫がされているように感じました。
着用時
④ 朝から夜まで長時間の着用でも軽さとストレッチ効果で立ち座りの負担をあまり感じませんでした。
継続使用でわかった内容
① 夏は袖を外し、浴衣の下に肌襦袢として使え、裾除けをプラスせずとも下半身が透けず便利
暑い夏、着る枚数を減らせるのは体力的にもありがたい
② 「き楽っく極(きわみ)」は、季節に合わせ袖を付け替えれば、一年中使えて、カジュアルでもフォーマルでも多用途に活用できる
③ スーピマコットンの身頃は少し硬かったものの、洗うたびに柔らかくなり、着心地が良い
ポリの「き楽っく」の【 素材 】は
- 長襦袢/身頃:綿100%、
- 裾よけ:キュプラ51%、ポリエステル49%
- 替え袖/キュプラ51%、ポリエステル49%
- 身頃も「き楽っく極(スピーマコットン)」と「き楽っく」(コットン)で違います。
ポリの「き楽っく」は身頃の部分(コットン)が肌に合わず、かゆみが出るという声を聞きました。
化繊素材が気にならない方はこちらもチェックしてみてください。
特徴的な衿芯
最初は「き楽っく襦袢」専用の衿芯を入れずに使っていました。
生徒さんから「衿芯の入れ方がわからない」と質問を受け、別売りの衿芯があるということを初めて知り、すぐに購入しました。
実際に試してみると、私も説明書を見ないと入れ方がわかりませんでした。今回その手順が分かるよう画像を載せておきます。
衿芯を入れることで、衿元がよりきれいに整い、仕上がりが美しくなりました。ぜひ試してみてください。
ファスナーがついている方の反対側(赤い点線部分)に入れます。


お気に入りの既製の柄半衿(ポリエステル素材)が一つあるだけで、簡単に着物の印象を変えることができます。ただ、値段は少し高めです。
着脱簡単!半衿を楽しむ
「き楽っく極」が1着あれば衿を、付け替えていろいろなスタイルを楽しむことができます。
ファスナーで簡単に付け替えられるので、新しい替え衿が欲しくなりますが、わざわざ高価な「き楽っく」の替え衿(ローズカラー)を買わなくても、手持ちの衿を簡単に半衿テープで貼り付けて楽しめます。
き楽っく極(きわみ)の上にイチゴの半衿(ポリエステル)やレースのリボンを半衿用両面テープで付けました。
ファスナー衿を開いてその上に半襟付けテープで貼るだけなので簡単です。




レースのリボンは、見える部分の幅さえ足りれば十分なので、さまざまなアレンジを楽しむことができます。


半衿を外し平置きにしてリボンを載せています。位置を決め貼るだけです。
単衣着物に夏用のクマノミの柄半衿です。


絽ファスナー半衿は不要
仕事上、着物を着る機会が多いため、便利な夏用の絽のファスナー半衿(ローズカラー)も購入しましたが、袷ファスナー半衿の上に絽の半衿をつければ費用がおさえられたと気が付きました。
絽ファスナー半襟の代わりにかわいい柄の正絹のウォッシャブル織り柄替え衿のほうが良かったです!
メリット&デメリット
「き楽っく(極)」のメリットとデメリットをまとめました。
メリット
• シルク素材:着心地がとても良い
• 裾さばきが良い:動きやすく、快適に過ごせる
• 絹の半衿:柔らかい白色で、顔映りがきれいに見える
• スピーマコットン:身頃部分は柔らかな肌触り
• 滑りにくい:身頃部分が綿素材なので、衿合わせ後も衿元が動きにくく安定
• 首が長く見える:衿が肩に沿って寝てくれ結果的に襟元が詰まらずスッキリ見える
• エレガントなデザイン:唐草模様の美しい絹を替え袖や裾除けに使用
• 伸縮性:横糸には強撚糸を使っており、動きに合わせて伸びる
• 裄丈調整:マジックテープで裄丈を簡単に調整できる
• 多用途:袖を外せば浴衣の下にも着られる
• ウォッシャブル替え衿:替え衿も絹を使っており、洗える加工がされている
• 簡単な付け替え:ファスナー式の替え衿で、おしゃれな衿元を手軽に楽しめる
これらの特徴により、着物をより快適に楽しむことができます。
デメリット
• 価格が高い:一部の人には高く感じられることがある
• 仕立て寸法が合わない:自分のサイズに合わせた襦袢ではないため、ぴったり合わないことがある
• 裄丈、袖丈の調整が難しい:着物によっては裄丈、袖丈が合わない場合がある
• 身頃が綿素材:身頃部分は絹ではなく綿素材
• 色の選択肢が少ない:私の知る限り、色は白一色
• 襦袢コーディネートの自由度が低い:着物に合わせた襦袢のコーディネートが楽しみにくい
• 替え衿のコストが高い:ファスナー式の替え衿は価格が高い
これらの点を考慮する必要がありますが、自身の使い方次第で十分にメリットを感じられるアイテムです。
購入にあたっての注意点
襟秀の公式サイトでサイズを確認
襟秀の公式サイトでサイズを確認し、わからない場合は問い合わせて適切なサイズを購入してください。
参考まで
管理人みつ子のサイズは以下です。
身長 155㎝
体重 47キロ
バスと 83㎝
ウエスト 71㎝
ヒップ 87㎝
き楽っく極のMサイズでぴったりです。
参考にしてください。
着丈の調整
丁度良いサイズがない場合は身丈のワンサイズ長い物を購入して腰のあたりで長いぶんの2分の1をつまんで縫い、着丈を調節してください。そのサイズの場合、裄丈が合うかも確認して下さい。



衿秀公式サイトからの引用です。参考にして下さい。
サイズ表
■サイズ表
(単位cm)
身丈 | 裄 | 肩巾 | 前巾 | 後巾 | 裾廻り | 身長目安 | |
S | 118 | 62 | 30 | 29.5 | 30 | 135 | 約148 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
S-fit | 121 | 62 | 30 | 24 | 30 | 124 | 約151 |
M | 124 | 63.5 | 31.5 | 30.5 | 31.5 | 140 | 約154 |
M-fit | 127 | 63.5 | 31.5 | 26 | 31.5 | 131 | 約157 |
L | 129 | 65.5 | 33.5 | 31 | 33.5 | 145 | 約159 |
L-fit | 133 | 65.5 | 33.5 | 27 | 33.5 | 137 | 約163 |
替え袖の寸法は袖巾32cm/袖丈49cmです。
■ご身長-30cm=推奨身丈
私は身長155㎝でMサイズでよかったです。
まとめ
「き楽っく極」のように、襦袢もどんどん進化しています。
「き楽っく極」を取り入れてから、5日間連続で着ても毎朝の支度がぐっと楽になり、お手入れも簡単でした。そのおかげで、体も気持ちも軽く、快適に過ごせました。
今では真夏に麻の襦袢を着る時以外は、ほとんど「き楽っく極」で済ませています。自然と柄襦袢を着る機会も減り、たくさんあった襦袢も思いきって整理しました。
「き楽っく極」は、こんな方にぴったりです。
- 価格で迷っている方へ
一度使えば、着やすさや時短効果で納得!自宅で洗え手間と維持費用が抑えられ少し高い価格にも納得できます。 - 化繊が苦手な方へ
正絹仕立てで、肌ざわりがやさしく快適。着心地にこだわる方にもおすすめです。 - 裄の違う着物を着回したい方へ
替え袖で裄丈の調整ができるので、季節を問わずいろんな着物が楽しめます。 - 正絹でも手軽に洗いたい方へ
ネットに入れて洗濯機で洗えるので、お手入れもラクラクです。 - 襟元や浴衣のおしゃれを楽しみたい方へ
半衿の着せ替えも簡単。袖なし・衿なしスタイルにも対応していて、カジュアルにも楽しめます。
ただし、「き楽っく極」には良い点もあれば気になる点もあります。使用する場面や予算、そして個人の好みに合わせて選ぶことが大切です。
付け袖を外して浴衣の下に肌着代わりに着ることができます。暑い時期の裾の透け感も一枚で防げます。


お気に入りの襦袢の袖を外し、「き楽っく極」に安全ピンで取り付けて嘘つき袖として使っています。
身頃からはブラウスを作りました。






この記事が参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
着付け教室も開校しています。お問い合わせお待ちしております。
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