【9月・10月】季節の変わり目におすすめの着物・襦袢・帯コーディネート

質問者さん

季節の変わり目に、着物のコーディネートで悩むことが多いです。
はっきりとした目安があれば教えていただきたいです。

みつ子

9月・10月はまだ暑さが残る日もあれば、涼しくなる日もあり、素材や色合いに迷いが生じる人は多いですね。

着物歴30数年の管理人みつ子が、このブログでは基本的なコーディネートのポイントをご紹介します。

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目次

9月と10月の着物

9月の着物

• 単衣(ひとえ)の着物が基本ですが麻着物で透け感が少ない秋色のものは10日くらいまでは着用可能です。

• 残暑が続く場合、涼しさを感じさせる淡い色合い(ベージュ系やグレー系、茶系)が適しています。

この着物は「長井縮」と言って単衣に適したシボだった生地です。帯は「からむし」という植物の繊維でできていて通気性に優れています。両方とも、色目が秋色のため中旬くらいまでは着用可能です。

牛首紬の単衣着物にもからむしの帯を合わせています。帯揚げと帯締めは夏仕様ですが色目は秋色にしています。

10月の着物

• 基本的には袷(あわせ)に移行しますが、残暑が厳しい初旬は秋色(ベージュ系やグレー系、茶系)の単衣着物を着ても大丈夫です。

• 秋の深まりを意識し、寒色系や少し濃いめの色や季節の柄(紅葉、菊など)を取り入れます。

下の写真は10月のはじめです。気温的に単衣の着物でも問題ありませんがその際は、秋らしい雰囲気の帯を締めるとよいです。更紗模様の九寸名古屋帯に帯揚げと帯締めも袷用です。

10月後半は気候的に袷の着物に袷の帯が一般的です。上に羽織るコートや羽織は、単衣か袷にするかは体感温度で決めてください。朱赤だった江戸小紋を茶色に染め替えた袷着物にお召しの九寸名古屋帯を締めて、茶道の稽古に行きました。

襦袢と半衿の選び方

襦袢

• 9月はまだ単衣用襦袢が適しています。麻か、絹襦袢かは体感温度を考慮して決めてください。

• 10月に入ると、袷襦袢が望ましいですが、昨今の温暖化で体感的に暑いと感じる場合は、まだ単衣でも良く、素材的には絹着物には絹襦袢が適しています。紬の場合襦袢は絹や暑がりの方は綿、麻のお好みで大丈夫です。

• 身頃は袷で袖は単衣で調整する方法も良いです。

この時期こそ「き楽っく極」(袷用)が活躍します。もちろん年中ですが、袖を外して単衣の付け袖でも楽しめます。

10月中旬に遠州木綿の単衣着物に半幅帯、お召しの袖無し羽織で裂き織りのワークショップに出かけました。

道中、あまりの暑さに、き楽っく極の袖を着たまま、バリバリと外しました。簡単に外せるのがありがたかったです。綿着物なので襦袢の袖がなくても大丈夫です。

またもや、袖なし羽織が重宝します。

裂き織りの機会が帯に当たるので外した袖でガードしています。

半衿

9月は明るく軽やかな色合いや楊柳やレース素材で爽やかさを演出します。10日くらいまでは絽塩瀬の白半襟でも大丈夫です。

10月は秋らしい色合い、例えば生成りや抹茶色、または柄入りの半衿で季節感を出す

生成りの正絹の衿(き楽っく極)にレースのリボンを半襟テープで重ねて貼り付けています。

帯・帯締め・帯揚げ

帯の選び方

9月はざっくりおられた羅の夏帯や透け感の強い帯は避け、博多帯や芯無しの八寸帯、半幅帯など軽めの生地の帯を選び、暑さをなるべく避けます。

木綿着物に袷用の半幅帯をかるた結びに結んで帯の面積を最小限にし、背中をすっきりさせて暑さをなるべく避けています。

• 最近は便利なオールシーズンタイプの帯もあります。新たに購入するときは年中使える色や柄に注意して、検討してください。

10月は秋を意識した柄の袷用の名古屋帯、袋帯や重厚感のある帯でバランスをとる

下の写真は、9月にも使える袷用の帯芯が入っていない八寸帯です。

嫁入りのときの派手な紬を、茶色に染め替えて着ています。袷の九寸名古屋を合わせた10月の装いです。

帯締め

• 9月:柔らかい色味の組み合わせを推奨(薄ピンク、ライトグレー、ベージュなど)をします。

ポリの単衣着物にからむしの帯の茶系で秋色コーディネートにしています。

• 10月:濃い色を使ってアクセントに(深緑、赤茶、茶色など)

お召しに洒落袋帯で10月下旬、帯揚げ、帯締めを濃茶系でコーディネートすると深まる秋を感じることができます。

帯揚げ

• 季節感を取り入れた素材と色合いを選ぶ

• 9月:初旬は夏用でもベージュ系やグレー系、茶系、それ以降は袷用で軽やかで薄い素材のものがお勧めです。

帯揚げは薄い素材の袷用、帯締めは夏用を合わせています。

• 10月:温かみのある素材や柄で季節の変化を演出

帯揚げも帯締めも袷用です。着物も蔦模様で秋を感じさせます。

まとめ

• 季節の変わり目における基本的なコーディネート

残暑厳しい9月、着物は単衣ですが、秋をイメージしながら薄くて爽やかな色合い(ベージュ系やグレー系、茶系)を取り入れます。

9月に入ったばかりの白っぽい単衣着物ですが、絽の夏帯と夏小物です。残暑厳しいときはこのように着ても良いと思います。

• 襦袢は自分の好みや体感に合わせた調整をし、しきたりに合わせて無理をしない。

• 帯、帯揚げ、帯締め、半衿は中旬くらいまでは夏用、それ以降は袷用。

この時期こそ「き楽っく極」が活躍します。もちろん年中ですが、袖を外したり、袖だけ単衣に替えたりできます。

熱中症に注意して、表から見えないところは体感温度で判断し、無理のない調節をしてください。

残暑厳しい10月初旬はカジュアルシーンなら単衣着物でも大丈夫です。中旬から下旬にかけて徐々に袷にしてください。

• 襦袢は自分の好みや体感に合わせた調整をし、しきたりに合わせて無理をしない。

• 帯、帯締め、帯揚げ、半衿は袷ようにする。

• 季節感を楽しむためのアレンジが、着物の醍醐味である

色目や柄で季節感を出せば、同じ着物でも徐々に季節の移ろいを表現できます。

単衣のコーディネートです。単衣の結城縮に帯芯のない綴れの帯を締めて5月の爽やかさを出しています。

同じ着物でも帯、帯締め、帯揚げを袷にすれば9月でも着用できます。

上物も臨機応変に残暑厳しい10月でも暑い日は袖なし羽織が重宝します。

軽やかな夏物の羽織や薄手の塵除けコートから、秋風が心地よく感じる頃には少し厚手の素材へと移行します。
最近では、10月後半でも単衣のお召羽織を着るのがちょうどで良い感じです。

それぞれの季節ごとの繊細な着心地を楽しみながら、自然との調和を感じるのも和装の魅力ですね。

 最後に

最近、温暖化の影響で暑さと寒さの間が短くなり、袷(あわせ)着物を着る時期が短く、単衣(ひとえ)着物を着る時期が長くなっていると感じます。

これからは、カジュアルなシーンでは、季節のルールにこだわらず、ご自身の体感温度に合わせて着物を選ぶと良いでしょう。

着物選びに迷ったときは、この記事を参考に、季節の移り変わりを楽しみながらコーディネートを工夫してみてください。

質問者さん

あまり深く考えずに、洋服と同じ感覚で季節感を楽しむと良さそうですね。

まき

色合いが大切なポイントなんですね。

まり

秋を意識した小物を取り入れると、自然と季節感が出せるってことなんですね。

みつ子

正装や伝統的な行事の際は、季節に合った装いとしきたりを大切にし、
プライベートな場面では、ご自身の体感に合わせてコーディネートを楽しんでください。
色や小物の工夫で季節感を演出できるので、無理せず自由に装いを楽しんでみてくださいね。

最後までお読みいただき有難うございます。この記事が参考になれば嬉しいです。

着付け教室も開校しています。お問い合わせお待ちしております。

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