【藤柄の絽の帯】いつ締めるの?〜大丈夫!季節感と帯選びの後悔しない考え方

ある日、友人からこんな質問を受けました。

質問者さん

絽の帯なのに藤の柄なの。これ、いつ締めればいいの?

スポンサーリンク
目次

着物の魅力は“季節をまとう”こと

着物の楽しみのひとつは、なんといっても“季節感”。
四季折々の自然を柄としてまとい、その移ろいを楽しむ——そんな粋な文化が日本にはあります。

そして、季節はほんの少し「先取り」するのがよしとされています。
これは着物ならではの美意識とも言えるかもしれませんね。

藤柄の絽の帯、という疑問

たしかに、袷の時期の藤柄の帯は目にしたことがあります。

実際の藤の花は4月中旬〜5月中旬が見ごろ。
けれど、絽の帯は6月〜8月の盛夏用とされています。

この微妙な“季節のズレ”に、私も思わず考え込んでしまいました。

そして、その時の思いつく限りのアドバイスをしたようにおもいます。

季節に合った柄や素材

誰が見ても季節がはっきりする柄や素材は安心です。

ただ、ほんの一瞬の時期、年一回など。下手すると何年かに一回の使用頻度になったりします。

老舗の帯匠「誉田屋源兵衛(こんだやげんべえ)」さんの藤の帯を展示会で拝見しましたが、その美しさは本当に圧巻でした。

袷用の帯でしたが、藤の柄ということで、これも厳密に言えば季節が限られる帯です。

ただ、この帯はお太鼓柄がとても長く取られていて、出す位置を工夫すれば、季節感を抑えてさまざまな使い方ができるかもしれません。

その点、下の帯のように金魚が描かれている夏帯などは贅沢の極みですね。

個性的な帯は好みが分かれることもありますが、最近は夏用の半幅帯も種類が豊富で、とても人気があります。

気候変化と着物の着用時期の変化

今回、藤柄の帯について改めて考えてみました。

最近は、5月でも真夏のような暑さの日があります。
そんな背景もあり、単衣の着物をゴールデンウィーク頃から着始める方も増えてきました。

そう考えると、「藤の絽の帯」も、ほんの少し早めに単衣と組み合わせて使う——
そんな柔軟な着方もありかもしれません。単衣着物に夏帯は正解です。

しれっと薄羽織の下なら藤の柄だけ透けて見えて、絽目がわかりにくく、素敵かもしれませんね。

着ている本人にとっては袷の帯より涼しくて快適かもしれませんし、

帯前から少し見えていても、まわりの人には意外と気づかれないかもしれません。

気づかれたとしても「もう暑くてちょうどいいのよ〜!」と受け流してください。

季節を選ばない柄選びという工夫

私は、帯や着物を選ぶとき、なるべく季節感が強すぎない柄を選ぶことが多いです。
理由はシンプルで、「季節によらずいつでも使いやすい」からです。

季節限定の柄は魅力的だけれど、着るタイミングが限られてしまうことも。
その分、登場回数が減ってしまうのは少しもったいない気がするのです。

蘭の花や更紗模様は袷の時期なら季節を問わず締められます。

欄の花や更紗模様は既設を問わず合わせに時期に締められます。

作り手の意図にも目を向けてみる

そもそも、なぜ“絽”に“藤柄”を?
もしかすると、作家さんやメーカーさんのなかに、明確な意図があるのかもしれません。

購入したお店に聞いてみるのもひとつの方法です。
「なぜ絽に藤柄を染めたのか」を知ることで、もっとその帯への愛着が深まることもあります。

和服の奥深さは計り知れないほどありますので使い方があるかもしれません。

夏帯なのに雪輪の柄だったすることも。

決まりにとらわれすぎず、自分らしく

着物は、かつてのルールに加えて、現代の気候やライフスタイルに合わせて自由に楽しむ時代になってきました。
正式の場でなければ「こうあるべき」という思いに縛られすぎず、自分らしい着こなしを大切にしたいものです。

藤の帯も、「この時期だからこそ」という自分なりの工夫で、活かせる場面がきっとあるはずです。

まとめ:あなたは季節の柄、どう楽しんでいますか?

最近は地球温暖化の影響もあり、着物を着る季節感も少しずつ変わってきています。

今では、ひと昔前よりも1か月ほど早めに、次の季節の装いを取り入れることが増えてきました。前後も含めてだいぶゆるくなってきました。

そう考えると、「帯の柄と季節感」にはっきりした正解はないのかもしれません。

いちばん大切なのは、その柄を通して季節を感じたり、自分の気持ちを楽しんだりすることだと思います。

とはいえ、季節限定の柄というのは、何もしなくても自然に季節感を表してくれる、とても魅力的な存在です。

その一方で、使える時期が限られるため、実用性とのバランスに悩むこともありますよね。

ちなみに私も、季節限定の帯をいくつか持っていて、短い時期ではありますが、その季節ならではの装いを楽しんでいます。

季節毎の展示会などで実際に目にするたびに、「やっぱり素敵だな」と感じます。

単衣の結城縮の着物に、うちわ柄の夏帯を合わせたコーディネート。季節を先取りした初夏の装いです。
6,7,8月に締めています。

単衣の着物に、うちわ柄の夏帯を合わせたコーディネート。季節を先取りした初夏の装い。

ただ、手に入れる際は、その美しさと実用性、持っているものとの組み合わせが良いかや、同じようなものを持っていないかなどのバランスをよく考えたいものですね。

「この柄や生地はいつまで使えるのかしら?」と、迷ったり疑問に思うことがあれば、購入する前にしっかり調べたり、お店の方に相談してみてください。

丁寧に説明してくれるお店で、納得して選ぶことが何より大切です。

これは、自分自身の反省も込めてお伝えしています。

皆さんは、季節の柄をどんなふうに楽しんでいますか?

ぜひコメント欄で、あなたの工夫や体験も教えてくださいね。

みつ子

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
着付け教室も開いていますので、ご質問やご感想などがありましたら、どうぞお気軽にお寄せください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次