着物は、特別な日に着るもの。
そう思って、長い間ずっと大切にしまっていました。
けれど気がつくと、着る機会がないまま、少しずつ手放す選択をする人も増えているようです。「二束三文でもいいから」と、着物が日常から遠ざかっていく。そんな現実を見るたびに、どこか心が引っかかっていました。
本当は、こんなに美しい生地なのに。そんなふうに感じている人はいませんか?
着物リメイクを始めたきっかけ
着付け講師をやめてから、着物を着る機会がグッと減りました。処分もたくさんしました。
着物リメイクを始めた頃は、「捨てるくらいなら、形を変えて残したい」という気持ちが入口でした。
どちらかというと、着物そのものを残すための手段、という感覚に近かったように思います。
でも、続けていくうちに、少しずつ変化がありました。それは「残すため」だけではなく、自分自身がその心地よさに惹かれていった、ということです。特に、シルクの着心地は、想像していた以上のものでした。
シルクを着て気づいたこと
年齢のせいか、化繊の服を着ていると、どうしても熱がこもったり、肌にまとわりつくような感覚があります。
それに比べてシルクは、軽くて、空気を含んでいるような感覚があります。ぴったりと密着するのではなく、付かず離れず。蝶がひらひらと舞っているような、そんな軽やかさです。
春の光の中にいるような、心地よさでした。
年齢を重ねていく中で、「守るために着る服」よりも「気持ちよくいられる服」を選びたくなってきたのも、自然な変化だったように思います。
完璧じゃなくていい、という気づき
着物リメイクをしていると、最初は「きちんと仕上げなければ」という気持ちが強くありました。
でも今は、少し考え方が変わっています。多少の縫い目の揺らぎがあっても、まずは「心地よく着られること」を大切にしたい。
85点でもいいから、一度形にしてみる。そして実際に着ながら、少しずつ良くしていく。
やってみなければ分からないことが、たしかにありました。
着物を「日常」に戻すということ
着物は、本来とても上質で、美しい日常着だったはずです。
それを特別なものとして閉じ込めてしまうのではなく、もう一度、日常の中で味わうものに戻せたら。しまっておくものではなく、着て、動いて、感じて、少しずつ変化していくものとして。
それもまた、そのものの「活かし方」なのかもしれません。
おわりに
着物は、特別な日のものでもいいし、日常のものでもいい。
無理はしない。でも、心が決めたことはやってみる。致命傷でなければ、まず一度やってみる。やらなければ分からないことを、ちゃんと体験していく。
これからは、ただ何かを作るというよりも、「心地よさを日常に届ける」という感覚を、大事にしていきたいと思っています。そしてそれは、自分自身を大切にすることでもある、と今は感じています。
大切なものほど、しまわずに使いたい。
そんな考え方を、もし誰かと分かち合えたら、嬉しいです。
すぐにリメイクしなくても、
まずは眺めてみる、触れてみる、可能性を知るだけでも十分だと思っています。
私が参考にしている本はこちらです。
