「タンスの着物をリメイクしたいけど、何から始めればいいの?」そんな方に向けて、まず欠かせない「下準備」の手順をご紹介します。いきなり縫い始めず、生地をきちんと整えることがリメイク成功の鍵です。
今回は、着物を解いて反物に戻すまでの手順を、私の実体験をもとにお伝えします。



まず片袖を外して縮みを確認する
いきなり全部解いてしまう前に、まず片袖だけを外してテストをします。
これが大事なステップです。
- 片袖を外す
- 寸法を測っておく
- 手洗いして乾かす
- アイロンをかけてから再び寸法を測る
ここで5cm以上縮んでいたら、その着物はリメイクに適さないと判断して断念します。せっかく全部解いてから「使えない」とわかるのは、時間も労力もムダになってしまいます。片袖でテストすることで、そのリスクを事前に回避できます。縮み5cm以上の生地は、完成後も洗うたびに縮み続けるため、形が崩れやすくなるのです。
縮みが5cm以内ならリメイクが可能なので全パーツを解きます。片袖と同様に洗ってアイロン、陰干し、完全に乾かす。裏地は一旦保管しておく。
解く順番は「袖から」が基本
縮みの確認ができたら、いよいよ全体を解いていきます。基本的には袖から解き始めるのが基本です。
袖から先に解くのは、縮みのテストを済ませているからというだけでなく、袖は接ぎが複雑でほどきにくいため、最初に集中して取り組むのがおすすめです。その後は衿→身頃の順に進めると作業がスムーズです。
解くときは糸切りバサミやリッパーを使って、丁寧に糸を外していきます。焦らず、ゆっくりと。生地を傷つけないように気をつけながら進めましょう。
自宅で手洗いする
解き終わったら、自宅で手洗いします。
- 洗面器やたらいにぬるま湯(基本常温、冬はぬるま湯)を張る
- 重曹あるいは中性洗剤(おしゃれ着用)を少量入れる
- 押し洗いする(こすらない)
- すすぎは2〜3回
- 水が滴らない程度に洗濯機で脱水(約2分)
- ざっくりで良いので余計なシワがつかないように畳んでバスタオルの上に置く
- すぐアイロンをかける
半乾きの状態でアイロンをかけると、シワがぐっと取れやすくなります。完全に乾いてからでは遅いので、脱水後はすぐに取りかかるのがポイントです。
絹は水に濡れると縮みやすい素材です。決してもみ洗いやこすり洗いはしないようにしましょう。
今回の姉のコートは未着用でしたので重曹も洗剤も入れずに水洗いだけでした。リメイクするものによって変えてください。汚れがひどいものはしっかり洗ってください。
アイロンがけのコツ
洗って脱水したら、すぐにアイロンをかけて生地を整えます。ここがリメイクの仕上がりを左右する大事な工程です。
必ず当て布を使う
絹に直接アイロンを当てると、テカリが出たり生地が傷んだりします。必ず薄い当て布(さらしや綿の布)を使いましょう。
温度は「中温」が目安
高温は絹を傷める原因になります。かといって低温すぎるとシワが取れません。アイロンの温度は「中温」を目安に、様子を見ながらかけていきます。
生地を引っ張らない
アイロンをかけながら生地を引っ張ると、必要以上に伸びてしまいます。生地の上でアイロンを滑らせるように、自然な形でかけていきましょう。
下準備を丁寧にすることがリメイク成功の秘訣
解く、洗う、アイロンをかける。この下準備の工程は地味に見えますが、ここをていねいにやっておくことで、その後の縫製がぐっとやりやすくなります。
生地の状態をしっかり確認して、納得できたものだけをリメイクに使う。それが、着て嬉しいリメイク作品を作るための第一歩です。
次回は、いよいよ何を作るか決めて、型紙づくりから縫製に入ります。今回の姉のコートがどんな作品に生まれ変わるか、ぜひ楽しみにしていてください!
今回はこちらの本から手縫いで作ってみようと思います。
出来上がったら記事にしますので、お楽しみに!
リメイクに関するお問い合わせお待ちしています。

「衿元がうまく決まらない」「帯結びが苦手」——記事だけでは難しいところは、直接お教えできます。京都で着付け教室を開いています(講師:日本着装協会認定講師 みつ子)。
初心者向けの基礎科(全8回)、苦手克服のフリーコース、タンスの着物をまるごと相談できる箪笥診断、夏季限定のワンコイン浴衣レッスンもあります。
