しまい込んでいた絹が、暮らしの中で再び輝く。
大切にしまっていた母の黒紋付と、姉の黒の夏帯。
その思い出の布が、このたび素敵なトートバッグに生まれ変わりました。
今回使った黒の夏帯は、以前リュックを作っていただいたときの残り布です。
ヨーヨーキルトには、母の黒紋付をリメイクした後に残っていた布を使いました。
どちらも未使用、またはほとんど使われていない、とてもきれいな絹です。
上質な布をしまったままにしておくのではなく、毎日の暮らしの中で使えるものとして活かせたことを、とても嬉しく思っています。

バッグ作りは、いつもの制作者さんに
バッグは、いつもお願いしている制作者さんに仕立てていただきました。
私が用意したのは、次の二つです。
- 姉の未使用の黒い夏帯の残り布
- 母の黒紋付の残布で作ったヨーヨーキルト
内布と持ち手は、制作者さんに用意していただきました。
一つひとつ丁寧に仕立てられ、とても美しいバッグに仕上がっています。
このバッグは、現在Creemaで販売していただいています。
【夏帯とシルク着物のヨーヨーキルト飾り 軽量トートバッグ|一点もの】
https://www.creema.jp/item/21101480/detail
帯はバッグ作りに向いている
制作の途中で、制作者さんからこんなことを教えていただきました。
「帯には帯芯が入っているので、バッグに向いているんですよ」
なるほど、と納得しました。
帯には適度な張りがあるため、バッグに仕立てても形がきれいに保たれます。
一方、着物の生地だけでは、バッグにするには少し薄いそうです。そのまま使うのではなく、芯を入れるなどの工夫が必要になります。
着物と帯では、同じ絹でも性質が違います。それぞれの特徴を知っている制作者さんだからこそ、素材に合った仕立てができるのだと思いました。

偶然のご縁から生まれたヨーヨーキルト
今回のヨーヨーキルトは、思いがけないご縁から生まれました。
ある日、ヨーヨーキルトを作っている方から、生地を見てほしいと頼まれたことがあります。
確認してみると、それは着物の雨ゴートに使われていた生地でした。
「着物をリメイクした後の残り布でも、ヨーヨーキルトを作れるかもしれない」
そう思いついたのです。
ちょうどその場には、以前、姉の黒い夏帯でリュックを作ってくださった制作者さんもいらっしゃいました。
制作者さんは、夏帯の残り布があることをご存じでした。
「残っている帯もバッグに活かしたら素敵ですね。ヨーヨーキルトを付けてみてはどうでしょう」
そう提案してくださいました。
黒の夏帯には、黒のヨーヨーキルトがきっと似合います。
ちょうど母の黒紋付の残布があったので、その布でヨーヨーキルトを作り、夏帯の残り布と一緒に制作者さんへお渡ししました。
こうして完成したのが、このトートバッグです。
思いつきと人とのご縁、そして「残った布も最後まで活かしたい」という気持ちが重なって生まれた、特別なバッグになりました。
今回使ったのは、クロバーの『ちくちくヨーヨープレート L』です。バッグに付けたヨーヨーは、直径約4.5cmに仕上がります。
驚くほど軽く、毎日持ちやすい
実際に持ってみて驚いたのは、その軽さです。
帯で作ったバッグと聞くと、重そうな印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
けれど、このバッグはとても軽く仕上がっています。
シニアになると、バッグそのものが重いだけで、肩や腕への負担が大きくなります。そこへお財布や飲み物などを入れると、さらに重くなってしまいます。
そのため、私がバッグを選ぶときに大切にしている条件の一つが「軽さ」です。
このバッグは、見た目の上品さだけでなく、軽くて持ちやすいところも大きな魅力です。
自然と毎日手に取りたくなるバッグだと思います。

黒だから、洋服にも着物にも合わせやすい
帯を使ったバッグはよく見かけますが、どのような服装にも合わせやすい黒のバッグは、意外と少ないように感じます。
このバッグなら、洋服にも着物にも自然になじみます。
普段のお出かけはもちろん、少し改まった席にも持って行けそうです。
正面にはヨーヨーキルトの飾りがありますが、全体が黒でまとめられているため、華やかになりすぎません。
シンプルで飽きがこず、長く使えるデザインに仕上がりました。


思い出も一緒に受け継いでいく
母の黒紋付。
姉の黒い夏帯。
そして、私が作ったヨーヨーキルト。
それぞれ別々に残っていたものが、ご縁とアイデアによって一つのバッグになりました。
着物や帯は、着ることだけが活かし方ではありません。
上質な絹だからこそ、形を変え、新しい役目を持たせることができます。
今回は、リメイクした後に残った小さな布まで、無駄にすることなく活かせました。

「もう使わないもの」から、「これからも使い続けるもの」へ。
このバッグは、そんな着物リメイクの魅力を改めて教えてくれました。
ご自宅に、もう着る機会は少ないけれど手放せない着物や帯があるなら、このような活かし方を考えてみるのも素敵ではないでしょうか。
着物も帯も、できるだけ最後まで使い切る。
そんな楽しみを、これからも見つけていきたいと思っています。
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