昨日、インスタグラムとYouTube、TikTokにショート動画をアップしました。タイトルは「人には厳しく、自分には甘い😅着物選びの目」。
我ながら、思い当たることがありすぎるタイトルです(笑)。
今日はこの動画の裏話と、そこから見えてきた「失敗しない着物選びのコツ」のお話です。
▶ 動画はこちらからご覧いただけます
「人には厳しく、自分には甘い😅着物選びの目」(YouTubeショート)
友人のためなら、冷静に選べるんです
実は少し前から、友人に小千谷縮(おぢやちぢみ)のことで相談を受けていました。
そこで先日、用事のついでに京都高島屋の中にあるリサイクル着物売り場(バイセル)へ。小千谷縮があるかどうか、あるとしたらどれくらいのお値段かを見ておこうと思ったのです。
すると、ちょうど小千谷縮の着物が出ていたんです。紺地に白い細かい縦縞で、お値段は45,000円+消費税。
「あの方なら、きっとお似合いになる」
サイズ感、色柄、手持ちの帯との相性、お値段……。不思議なくらい冷静に、厳しい目でチェックしている自分がいました。その晩、友人に送ったメールがこちらです。
こんばんは。今日、ついでがあったので、京都高島屋のバイセルへ行ってきました。
小千谷縮の着物がちょうどあって、お値段が45,000円+消費税でした。紺地に白い細かい縦縞が入って、お似合いになりそうでした。夏染め帯や八寸帯も乗りやすく、仕立て上がりでお得な感じでした。
同じものはないと思いますが、リサイクルも考えてみられたらどうかなと思いました。
友人は違う都市にお住まいです。リサイクルショップは店舗によって品揃えが違いますし、リサイクル着物はどれも一点もの。同じものには、まず出会えません。だからこそ「こういう選択肢もありますよ」というご提案のメールでした。
デパートの中のリサイクル着物は品質が良い
着物仲間から聞いた話ですが、デパートに入っているリサイクルショップは、デパートの信用に関わるため、品質の良いものが並ぶそうです。
もっとも、私の知る限りでは「すべてが完璧な品」とまでは言い切れません。それでも、ほぼシミや傷みのないものが選ばれて並んでいる印象です。
リサイクル着物は「状態の見極め」が一番のハードルですから、その点で百貨店の中の売り場は、初心者さんにも安心しやすい選択肢だと思います。それでも、購入前にご自身の目で状態を確認して、納得してから求めることが大事ですよ。
▼あわせて読みたい
小柄さんは実は有利?リサイクル着物・帯を買う時の注意点|船場センタービルで感じたこと
ところが、自分の着物になると目が甘くなる
友人のためなら「帯が乗りやすいか」「お値段は妥当か」まで冷静に見られるのに、これが自分のものとなると、途端に目が甘くなるんです(笑)。
- 「素敵!」と一目惚れしたら、サイズが多少合わなくても「なんとかなる」
- 出番があるかどうかは「いつか着るはず」
- お値段は「今買わないと後悔しそう」
……と、都合の良い言い訳が次々に湧いてきます。
その結果どうなったかは、先日の記事に正直に書きました。高い着物ほど、もったいなくてしまい込んでいたんです。
▼あわせて読みたい
高い着物ほど、しまい込んでいた私が気づいたこと
失敗しないコツは「友人に勧めるつもり」で選ぶこと
そこで最近は、自分の着物を選ぶときこそ「これを友人に勧めるとしたら?」と一呼吸置くようにしています。
- この着物、大切な友人に「買った方がいいよ」と言える?
- 手持ちの帯が、すぐに2本以上思い浮かぶ?
- 着て行く場面が、具体的に3つ挙げられる?
友人へのメールに書いた「帯が乗りやすい」「仕立て上がりでお得」という視点を、そのまま自分にも向けるわけです。
人に向けていた厳しい目を、自分にも──言うは易し、ですけれど(笑)。
そして最近は、この3つに加えて「気軽に着ていけるかどうか」も大事な物差しになりました。
年齢を重ねると、お手入れの実際の手間暇はもちろん、「大事にしなければ」と気を張ること自体がしんどくなってくるんです。高価すぎる着物は、着るたびに頭のエネルギーを使ってしまいます。
だから今は、汚れを気にしすぎず気軽に袖を通せる価格帯か、お手入れに手間がかからない素材か──そこまで含めて、思慮深く選ぶようになりました。マインド面で「しんどくならない」ことも、長く着物を楽しむ大切な条件だと思います。
友人からの返事に、また学ばされました
後日、友人からお返事が届きました。
「小千谷縮は来年かなぁ」
急いで飛びつかず、じっくり考える。この「慌てて買わない」姿勢こそ、一番の目利きかもしれません。
私が動画で自分に言い聞かせたかったのは、まさにこれでした。
まとめ
- 友人のためなら冷静に選べる「厳しい目」を、自分の買い物にも向けてみる
- デパート内のリサイクルショップは品質面で安心感があり、選択肢としておすすめ
- 「帯が合うか」「着て行く場面があるか」を自問してから財布を開く
- 気軽に着ていける価格・お手入れのしやすさも、シニアには大事な物差し
- 慌てて買わないのも、立派な目利き
着物選びの目は、鏡と同じ。人に向けるより、自分に向けるほうがずっと難しいですね(笑)。
最後までお読みいただきありがとうございました。この記事が参考になれば嬉しいです。

「衿元がうまく決まらない」「帯結びが苦手」——記事だけでは難しいところは、直接お教えできます。京都で着付け教室を開いています(講師:日本着装協会認定講師 みつ子)。
初心者向けの基礎科(全8回)、苦手克服のフリーコース、タンスの着物をまるごと相談できる箪笥診断、夏季限定のワンコイン浴衣レッスンもあります。
