9月5日、大阪の四季劇場へ「ノートルダムの鐘」を観に行ってきました。着物は紋紗のお召、帯はオールシーズンのもの、羽織ったのは羅のコート。本来なら盛夏の着物姿でのお出かけです。時期遅しの装いで出かけても大丈夫だった理由をお伝えします。紋紗は盛夏以外着てはダメと思っている方にぜひ読んでいただきたい記事です。

単衣にするか、夏物にするか
朝晩は少しずつ秋の気配が出てきたけれど、昼間はまだまだ暑い時期。単衣の着物で出かけるにはちょっと厳しいかなと思い、夏物を選びました。洋服で言えば、9月5日くらいならTシャツと薄手のパンツいわゆる夏の装いでも十分許容範囲、というくらいの感覚です。
紋紗のお召は紺色なので、真夏らしさを少し抑えられるかなと。上に羽織った羅のコートも、着物と同じ時期に誂えたものではありませんが、偶然にも同じ紺色。おかげで夏物同士でも、一塊に見えあまり浮いた感じになりませんでした。
つまり、着物もコートも紺色という色が真夏の着物にあるようなパッと明るくない色目、落ち着いた色目だったことが大きな決め手でした。ただ、これは無意識の判断でした(笑)
コーディネートは前夜に
このコーディネートを考えたのは、出かける前日の夜でした。最初は洋服で行くつもりだったのですが、尊敬している方から、昨年のあるイベントで「みつこさん、今日は着物じゃないんだ!」って言われたことがあったので「やっぱり着物にしよう」と思い立ち、そこからコーディネートが始まりました。
平置きで並べて考えるより、実際に袖を通しながら考える方が私には合っているようです。着物を紺のお召に決めてから、帯を3種類出してみました。
なぜ、夏物の紺色のお召しにしたかというと、友人に絶賛されたからと、YouTubeのショート動画の再生回数が他のものより多かったから、それなら、もう一回着ておきたいと思ったからです。
帯選び、3つの候補
候補1:絞りの帯
真夏以外なら締められると、メーカーの方がおっしゃっていたので候補に。ただ、少し白っぽく浮いて見えてしまうのが気になり、最終的には外しました。
候補2:夏帯(水色にシルバーの波模様)
涼しげで素敵なのですが、合わせるとどうしても真夏らしさが強く出てしまいます。これは早々に候補から外れました。
候補3:オールシーズン帯(黄金系) → 採用
色合いが落ち着いていて、浮き上がった感じがしない。着物の紺とワントーンでまとめられそうだったので、こちらに決めました。絞りの帯と最後まで迷いましたが、決め手は「白っぽく浮くか、浮かないか」でした。
小物もワントーンで
帯締め・帯揚げも、あまり主張しすぎない同系色でまとめました。帯揚げはブルー系の絽ちりめんで、濃いブルーが主に見えるように結び方を工夫。そうすることで白っぽい部分ができず、全体のトーンがすっきりまとまったと思います。
バッグは、姉の形見から
バッグ選びにも少し悩みました。白っぽいバッグを持つと、そこだけ夏らしく浮いてしまいます。そこで思い出したのが、姉の喪服の夏生地から作った軽いバッグ。合わせてみたらぴったりでした。
実はこのバッグ、Creemaに出品していたのですが、今回のコーディネートで自分用に使うことに決め、出品は取り下げました。夏物としてだけでなく、母の単衣の喪服から作ったヨーヨーキルトのデザインが施されていて、とてもシックな一品です。眺めているだけと、実際に持ってみるのとでは印象が全く違いました。不思議と、着物にも洋服にも合う一品です。

9月の残暑、ワントーンコーデという選択
9月に入ったばかりのこの時期、紺の着物と羅のコートというこの組み合わせなら大丈夫、と自信を持ってコーディネートできました。
9月に入ったからといって、すぐに単衣や真夏帯を秋っぽい色に替えるのではなく、こうしてワントーンでまとめることで、夏らしさを抑えつつすっきりとした印象にする。そうすれば、残暑の時期でも無理なく着こなせるのだと感じました。
もしお持ちの着物がベージュ系統なら帯や小物を秋色にするとかでも真夏感が抑えられます。
もちろんこれはあくまで私自身の感覚での判断です。「それはちょっと違うのでは」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。それでも、出先でお会いした方々にはわざわざ上の階から降りてきて「素敵ですね」と声をかけていただきました。
着るものに迷うこの時期、自分の好きなコーディネートで出かけて、自信を持って着物を着る。それがどんなに楽しいことか、皆さんにも伝わったら嬉しいです。

「衿元がうまく決まらない」「帯結びが苦手」——記事だけでは難しいところは、直接お教えできます。京都で着付け教室を開いています(講師:日本着装協会認定講師 みつ子)。
初心者向けの基礎科(全8回)、苦手克服のフリーコース、タンスの着物をまるごと相談できる箪笥診断、夏季限定のワンコイン浴衣レッスンもあります。
