単衣着物の季節、みなさん衣替えのご準備はいかがでしょうか?

6月は単衣(ひとえ)の着物を着る季節ですが、お召などの素材は雨に弱いものが多いです。雨が多いこの時期には、ポリエステル素材の着物を活用してみてはいかがでしょうか?賢く雨の季節を乗り切りましょう!
ポリエステルの着物は便利ですが、注意点を知っておくことが重要です。これを知らないと、着づらさを感じたり、出番が少なくなり、勿体ないことになります。着物歴30年以上の経験を持つみつ子が、ポリ着物のメリットを活かし、デメリットの対策方法をお伝えします。最後まで読んで、ポリ着物をより快適に楽しむ方法を学びましょう



これから着物について学びたいと思っています。ポリ着物は暑いと聞いていますが、6月に着ても大丈夫でしょうか?



また、母の着物を活かしたいと考えていますが、何もわからない状態です。どうぞよろしくお願いいたします。



若い頃から着物を着てきましたが、年を重ねても手軽に楽しみたいと思っています。ポリの着物は持っていますが、あまり活用できていません。
暑い時期でも体に負担なくポリ着物を楽しむ方法を教えていただけると嬉しいです。



これまで、正絹の着物にこだわってきましたが、年齢とともに状況が変化しています。今回は、ポリ着物の素晴らしい特徴をご紹介します。
ポリ着物の魅力
1. お手入れが簡単で扱いやすい
2. 比較的安価で高品質
ざっくりと
袷とは・・・裏地がついている着物
単衣とは・・・裏地なしの着物
これらの特長により、どんな季節にもより多くの方が気軽に着物を楽しめるようになりました。
ポリ着物が6月におすすめな理由
6月になると、着物は袷(あわせ)から単衣(ひとえ)に変わります。
単衣の着物は裏地がないので、軽やかさを感じることができます。
雨の時期には、単衣のポリエステル製の着物を上手に活用すると、心もお財布も軽くなりますよ。
ポリエステル着物を6月に着るメリット
1. 手入れの簡単さ: 梅雨の時期でも縮んだり色移りしないため、安心して着用できます。
また、自宅で洗濯可能で、乾きが早く連続使用が可能です。
2. 価格の手頃さ: 正絹に比べてコストパフォーマンスが良く、東レシルックなどの高品質なポリ着物は見た目も正絹に匹敵します。
3. 軽量で快適: 単衣の着物は裏地がないため軽く、暑い時期でも快適に過ごせます。
デザインの魅力
デザインの多様性
- 季節感あふれる豊富な色柄
- スタイルの広さ
小紋、紬、付下げ、色無地、訪問着に対応
用途の柔軟性
カジュアルからフォーマルまで、幅広いシーンで汚れを気にせず安心して楽しめます。
耐久性の特徴
実用性の高さ
• 雨の多い季節の旅行やお出かけでも安心
• 生地に適度な張りがあり、動きやすい
• 日常使いに丈夫で最適な着心地
2.6月にポリ着物を着るデメリットと対策
通気性の低さ
- ポリ着物は蒸れやすいと言われますが天然素材の着物でも暑い時は蒸れます。
対策は通気性の良いインナーを着ることです。
○私はたかはしきもの工房の汗取り肌着くノ一麻子を着ます。
いただき物のポリの単衣着物の下に麻襦袢を着ています。透け感がある着物は襦袢を重ねたほうが安心です。


ひんやり感の麻襦袢を着てからむしの八寸名古屋帯で通気性をプラスします。


20年くらい前に誂えた、透け感無しの東レシルックのポリ着物。
浴衣風に襦袢無しでも着られ、サラサラと気持ちが良いです。


吸湿性の悪さ
- 汗をかいたときの不快感
○インナーに汗取り肌着を着ることで防げます。
天然素材の着物でも補正などで重ね着すると吸湿性は損なわれます。
つまり、着物がポリであっても正絹であっても麻であってもインナーで吸湿性が左右されます。
インナーに吸湿性のある汗取り肌着を着るのがアウターに何を着るかより大事です。



そんなにインナーで違うのね。



長年、ムシムシする時期、何をどうしたら快適に着物を着られるか試行錯誤した結果です。
静電気の発生
- 静電気が発生しやすい。
○体質による個人差はありますが、湿度の高い時期に静電気で悩まされることはあまりありません。
反対に冬場に袷の正絹着物で足はやで歩いた時は、静電気が起き静電気防止スプレイーを襦袢に振ったことはあります。
静電気で悩まされることはポリ着物に限られることはないです。
風合いの違い
- 天然素材の着物と比べてやや固い風合いですが、殆ど差がわかりません。
- 以前勤務していたレンタルショップのポリ着物の感触では安価なランクの着物ほど質感が固い印象でした。
反物から誂える場合は安価なものは避けたほうがよいです。
- 東レシルックのメーカーさんのお話によるとポリエステルの糸をシルクの形状に似せて作るそうです。
- 私が誂えたポリ着物に関しては着にくい固さではありません。


ポリの単衣着物に博多の紗献上帯で大阪まで出かけました。
たかはしきもの工房のput on着物ブラの上にくノ一麻子を着て、
ウエスト補正に満点腰スッキリパッドメッシュインナー入で
”き楽っく極”の付け袖部分をバリバリ外して綿の筒袖で軽快でした。


ポリの夏着物に麻襦袢を着て大阪までランチに。
汗をかいても水がかかってもソースが飛んでも安心です。
風合いも大事ですが実用に合わせて正絹着物との使い分けが大事です。
3.6月におすすめのポリ着物コーディネート
季節感を取り入れた色とデザイン
ポリ着物はどちらかというとスッキリした柄や薄すぎず濃すぎずの色が涼しさを感じさせます。
帯は夏帯を締めます。
初夏の花柄や涼しげな色合いを取り入れる
バラや花菖蒲、あじさい、風にそよぐ柳など涼を誘う柄、少し先取りがお勧めです。


おしゃれな小物とのコーディネート
帯や帯留め、小物で季節感を演出します。
ガラスの帯締めは涼を呼びます。


正絹紅花紬にポリの八寸帯。
ガラスの帯飾りで涼感を出しました。


日常使いとお出かけ用のコーディネート
カジュアルな日常使いスタイルは襦袢無しで半幅帯など暑い季節に適した装いで大丈夫です。
式典などフォーマルなお出かけスタイルの場合は色無地や付下げ、訪問着など、ポリ着物であっても正絹の着物に準ずる襦袢や帯、小物を合わせて下さい。
この着物は正絹の付下げ着物ですがポリ着物であっても帯や小物は正絹用がお勧めです。


4.ポリ着物のメンテナンス方法
洗濯方法
1.家庭での洗濯方法の具体的な手順
- まず、洗濯前に表示ラベルを確認し、洗濯機洗いが可能か確認します。
- 着物の表面についたホコリや軽い汚れを柔らかいブラシで払い落とします。
- 次に上前見頃や衿、袖部分は特に皮脂や食べこぼしなどが付きやすいので確認します。


2.ネット可能ならネットに入れる
- 袖を重ねて見頃を折りたたみコンパクトに袖畳にし、大きめの洗濯ネットに入れます。
- 「せんたく姫」のような着物専用の洗濯ネットの利用も便利です。
3.洗濯機使用時の注意点
- 高温は生地を痛めるので30度以下のぬるま湯を使います。
- 「ドライ」や「デリケート」、「手洗いモード」を選び中性洗剤を使用します。
- 漂白剤や柔軟剤は使用しません。
- 洗濯時間は短め(10分〜15分)設定します。
4.短時間の脱水
- 脱水時間は1〜2分程度で水が滴らなければ大丈夫です。
- 長時間の脱水は生地を痛めたりシワの原因になります。
5.乾燥
- 脱水後、着物の形を整え、シワを伸ばし着物ハンガーに掛けます。
- 直射日光を避け、風通しの良いところで陰干しします。


着物ハンガーは一本あると便利です。私は着物用、帯用、襦袢用と3本使って着用後2〜3時間干して熱を飛ばしています。ポリ着物の陰干しにも型崩れせずお勧めです。
6.アイロンがけ
- 完全に乾いたあと、シワが気になる場合は低温でアイロン掛けします。
- アイロンを直接当てるのでなくあて布をしてください。
- シワが取れにくい場合は霧吹きで水をかけてアイロンを当てると取れやすいです。
- 低温でシワが取れない場合は中温で内側の見えないところで軽く試してからあて布を当てシワを伸ばしてください。(ポリは熱に弱いのでいきなり中温で掛けず様子を見ながら温度を上げて下さい。)
7.保管方法
- 完全に乾いたら、畳紙に入れて保管してください。
- プラスチックケースに入れる場合は乾燥剤を入れ通気性の良いところで保管して下さい。
- ポリ着物単独で保管する場合は防虫剤は入れなくてもよいです。
- もちろんシワ防止のため、きちんと畳んで収納することは基本です。
- 薄物のポリ着物は結構畳にくいので紙を挟んでたたむのも良い方法です。(紙を挟むのも難易度高いですが)
- 保管も直射日光が当たると色褪せの原因になりますので室内でも注意して下さい。
これらの手順を守ることで、ポリ着物を楽しみ自宅で手軽にケアでき美しい状態を保つことができます。



ポリ着物も使い方次第で活用できるのね。
涼しい小物も楽しめちゃうのはなんだかテンション上がるわ〜!



私も素敵な着姿で雨でもお出かけできそうな気がしてきたわ〜!



暑い時期でもインナーに注意すれば案外涼しく着物を楽しめそうね。
ザブザブ洗えて汗の心配をしなくていいのは費用面でも助かるわ。
浴衣風に着れば簡単で気軽に外出できそう〜。雨がなんだか待ち遠しいです!



皆さんそれぞれポリ着物を楽しめそうな嬉しいお言葉をいただきました。ぜひ、雨でも楽しくお出かけしてくださいね。
まとめ
メリット&デメリット
ポリ着物のメリット
1. 手入れの簡単さ: 自宅で洗えるため、手間がかかりません。
2. 価格の手頃さ: 正絹に比べてコストパフォーマンスが高いです。
3. デザインの豊富さ: 季節感を取り入れた多様なデザインがあります。
4. 耐久性: 雨の日でも安心して着られ、日常使いに適しています。
デメリットとその対策
1. 通気性の低さ
• 対策: 通気性の良いインナーを着用することで快適さを保てます。
2. 吸湿性の悪さ
• 対策: 吸湿性の良いインナーを着用することで解消できます。
3. 静電気の発生
• 対策: 湿気の多い時期には起こりにくいですが、静電気防止スプレーを使用すると効果的です。
4. 風合いの違い
• 対策: ポリの糸が改良され、最近では正絹とほとんど差がない柔らかさになっています。
おわりに
ポリ着物のきっかけ
院長先生との出会い
着付けを習い始めた頃、院長先生が夏着物を非常に洗練された様子で着ておられました。その着物は、ポリの夏結城紬だと教えていただき、全く違和感のない美しさに驚きました。
イメージの転換
• 黒っぽい色目で透け感のある涼しげな着物
• モダンで洗練された雰囲気
• それまでのポリ着物に対する悪いイメージが完全に払拭されました。
購入と愛用
その後、私は夏物2枚、単衣2枚、袷1枚のポリ着物を誂えました。特に夏着物の1枚は、とても愛用し、裾が擦り切れるほど頻繁に着ました。
ポリ着物への想い
推奨ではなく、選択肢の提案
この記事は、ポリ着物を絶対的に推奨するものではありません。梅雨の季節を楽しむための、一つの魅力的な選択肢をお伝えしました。
アドバイス
• しっかりした生地で汎用性の高い、お気に入りの1枚を誂えることをおすすめします
• すでにポリ着物をお持ちの方は、記事で紹介した方法で活用してみてください
着物を楽しむためのヒント
• 着物付けグッズは非常に進化しています
• 年齢とともに体力は落ちますが、ポリ着物を上手に活用すれば、楽に着物を楽しむことができます
結びに
着物は伝統であり、楽しみです。自分に合った方法で、気軽に着物の魅力を感じてください。
最後までお読み頂き有難うございました。この記事が参考になれば嬉しいです。
前結び講座や着付け教室も開校しています。お気軽にお問い合わせください。


ポリ着物ならワンちゃん連れのお出かけも気軽に楽しめますね。
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